初任給の都道府県別ランキング|大卒47都道府県を2年分で比較

公開読了約14分執筆ツナカレ就活編集部

地元に戻って働くか、都市部に出るかを考えるとき、県によって新卒の給料がどれくらい違うのかは気になる点です。ただ、検索で見つかる都道府県別ランキングには、年度が古いものや、上位・下位の数県だけを載せたものが多く見られます。この記事では、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」の都道府県別表(大学卒・男女計)だけを使い、47都道府県をすべて並べました。前年(令和6年)の値とも比べています。数字は月額で年収ではなく、ランキングはおすすめ順ではありません。

この記事の数字の出どころ

使うのは、e-Stat「都道府県別第4表 都道府県別新規学卒者の所定内給与額」にある大学卒・男女計の値で、6月分の所定内給与額です。募集要項に書かれる初任給そのものではありません。

調査の概要は次のとおりです。

項目 内容
調査名 令和7年賃金構造基本統計調査
実施主体 厚生労働省
対象 民営事業所・企業規模10人以上(都道府県別表の表頭)
調査時期 2025年6月分の賃金について2025年7月に調査
新規学卒者の定義 調査対象期日現在に雇用している一般労働者のうち、原則として、調査年3月に学校等を卒業している者
公表日 2026年3月24日

(出典: e-Stat 令和7年 都道府県別第4表、厚生労働省「調査の概要・用語の解説」、用語の解説(詳細))

同じ表の全国・男女計・産業計では、学歴別の新規学卒者の所定内給与額は、高校207.3千円、専門学校230.7千円、高専・短大235.5千円、大学262.3千円、大学院299.0千円です。この記事は、このうち大学卒を都道府県別に並べたものです。

結論|大卒初任給の全国値は262.3千円、最も高いのは大分の280.8千円

令和7年は大分県の280.8千円が最も高く、最も低いのは山形県の230.3千円で、差は50.5千円(編集部算出)です。

47都道府県の値の中央値は251.9千円(編集部算出)です。全国の262.3千円を上回るのは、大分・東京・秋田・石川・千葉・佐賀・静岡・岐阜・長崎・大阪・栃木の11都府県でした。全国の値は47都道府県の値を単純に平均したものではなく、全国の新規学卒者全体を対象に集計した値なので、47都道府県の中央値とは一致しません。

ただし、1位の大分県は前年は41位で、1年で40順位上がっています。この動きは次の表と、その後の章で詳しく見ます。

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大卒初任給の都道府県別ランキング(47都道府県・令和7年)

上位は大分・東京・秋田・石川・千葉、下位は福島・鹿児島・沖縄・宮崎・山形の順です(下位は高い順に並べています)。

順位 都道府県 令和7年 令和6年(順位) 前年差(千円)
1 大分県 280.8千円 224.3千円(41位) +56.5
2 東京都 275.5千円 254.3千円(5位) +21.2
3 秋田県 274.4千円 246.9千円(12位) +27.5
4 石川県 274.0千円 238.2千円(22位) +35.8
5 千葉県 268.3千円 254.8千円(4位) +13.5
6 佐賀県 266.5千円 244.1千円(15位) +22.4
7 静岡県 264.0千円 253.0千円(7位) +11.0
8 岐阜県 263.6千円 238.2千円(22位) +25.4
9 長崎県 263.0千円 243.8千円(16位) +19.2
10 大阪府 262.6千円 245.6千円(13位) +17.0
11 栃木県 262.4千円 254.0千円(6位) +8.4
12 埼玉県 261.2千円 250.3千円(9位) +10.9
13 滋賀県 261.0千円 266.7千円(2位) −5.7
14 長野県 260.2千円 247.2千円(11位) +13.0
15 愛知県 259.6千円 257.2千円(3位) +2.4
16 神奈川県 259.5千円 251.7千円(8位) +7.8
17 京都府 257.7千円 247.9千円(10位) +9.8
18 三重県 256.4千円 236.9千円(25位) +19.5
19 茨城県 253.9千円 241.4千円(19位) +12.5
20 福岡県 253.6千円 245.0千円(14位) +8.6
21 兵庫県 253.3千円 241.5千円(18位) +11.8
22 北海道 252.4千円 222.7千円(44位) +29.7
22 鳥取県 252.4千円 219.4千円(47位) +33.0
24 香川県 251.9千円 237.2千円(24位) +14.7
25 島根県 251.8千円 234.9千円(30位) +16.9
26 山梨県 251.1千円 235.6千円(28位) +15.5
27 山口県 251.0千円 243.4千円(17位) +7.6
27 徳島県 251.0千円 220.5千円(46位) +30.5
29 青森県 248.9千円 236.5千円(27位) +12.4
30 熊本県 248.3千円 229.6千円(38位) +18.7
31 福井県 248.1千円 232.0千円(34位) +16.1
32 奈良県 248.0千円 234.5千円(31位) +13.5
33 宮城県 246.4千円 235.4千円(29位) +11.0
34 群馬県 245.9千円 284.5千円(1位) −38.6
35 高知県 245.7千円 224.4千円(40位) +21.3
36 広島県 243.0千円 234.1千円(32位) +8.9
37 岩手県 242.4千円 224.7千円(39位) +17.7
37 和歌山県 242.4千円 236.7千円(26位) +5.7
39 富山県 241.5千円 238.6千円(21位) +2.9
40 新潟県 238.3千円 230.3千円(35位) +8.0
41 愛媛県 237.8千円 223.1千円(42位) +14.7
42 岡山県 235.8千円 233.6千円(33位) +2.2
43 福島県 234.1千円 230.2千円(36位) +3.9
44 鹿児島県 232.4千円 229.7千円(37位) +2.7
45 沖縄県 231.4千円 222.8千円(43位) +8.6
46 宮崎県 231.0千円 222.7千円(44位) +8.3
47 山形県 230.3千円 241.2千円(20位) −10.9
- 全国 262.3千円 248.3千円 +14.0

(出典: e-Stat 令和7年 都道府県別第4表、令和6年の値はe-Stat 令和6年 同表。大学・男女計・産業計・企業規模計(10人以上)、所定内給与額。前年差と令和6年の順位は編集部算出。同額は同順位)

この表は統計の値を高い順に並べただけで、おすすめ順ではありません。

上位10の都府県

上位10の値は262.6〜280.8千円で、前年も上位10に入っていたのは東京都(前年5位)・千葉県(4位)・静岡県(7位)の3都県だけです。

残る7府県は、いずれも前年は12位以下でした。1位の大分県(前年41位)のほか、4位の石川県と8位の岐阜県(ともに前年22位)のように、前年は中位だった県も含まれます。九州からは大分県・佐賀県(6位)・長崎県(9位)の3県が入りました。三大都市圏の府県では、東京都が2位、千葉県が5位に入った一方、大阪府は10位、愛知県は15位、神奈川県は16位と中位にもまたがっており、大都市圏の府県がそろって上位というわけではありません。

下位の道県(39〜47位)と全国との差

39位以下は、富山県の241.5千円から山形県の230.3千円までの9道県です。37位が同額で2県あるため、38位は空いています。

山形県は前年の20位から47位に下がり、前年より10.9千円低い値でした。全国の262.3千円との差は32.0千円です(編集部算出)。前年より金額が下がったのは、後述のとおり群馬・山形・滋賀の3県で、山形県はその1つです。

前年から順位が大きく入れ替わる|両年とも上位10は3都県だけ

令和6年と令和7年の両方で上位10に入ったのは東京・千葉・静岡の3都県だけで、順位が10以上動いた道府県は13あります(編集部算出)。

大きく順位を上げたのは次の5道府県です。

  • 大分県: 41位から1位(+56.5千円)
  • 石川県: 22位から4位(+35.8千円)
  • 鳥取県: 47位から22位(+33.0千円)
  • 徳島県: 46位から27位(+30.5千円)
  • 北海道: 44位から22位(+29.7千円)

大きく順位を下げた主な県は次のとおりです(下げ幅の大きい順に6県を掲載)。

  • 群馬県: 1位から34位(−38.6千円)
  • 山形県: 20位から47位(−10.9千円)
  • 富山県: 21位から39位(+2.9千円)
  • 愛知県: 3位から15位(+2.4千円)
  • 滋賀県: 2位から13位(−5.7千円)
  • 和歌山県: 26位から37位(+5.7千円)

前年より金額が下がったのは群馬・山形・滋賀の3県だけで、ほかの44都道府県は上がっています。富山県と愛知県のように、金額は上がっても、他県の伸びが大きければ順位は下がります。

最高と最低の差は、令和7年が50.5千円、令和6年が65.1千円(群馬284.5千円−鳥取219.4千円)でした(いずれも編集部算出)。

参考として、2年分の平均(編集部算出)で並べると、上位は群馬265.2千円、東京264.9千円、滋賀263.9千円、千葉261.6千円、秋田260.7千円です。下位は、宮崎226.9千円、沖縄227.1千円、愛媛230.5千円、鹿児島231.1千円、福島232.2千円でした。令和7年1位の大分県は、2年平均では上位10に入りません(編集部算出)。一方で、令和6年の群馬県のように1年だけ大きい値があると2年平均も押し上げられるため、2年平均も目安の1つにとどまります。

順位が動いた理由は、調査からは分かりません。標本誤差の可能性もあります(標本の注意は後の章で触れます)。1年分の順位だけで、その県の新卒の給料水準を判断するのは難しいと言えます。

県によっては全年齢の賃金と初任給の順位が大きく違う

秋田県は初任給では3位ですが、全年齢の所定内給与額では43位で、初任給の順位と全年齢の順位が一致しない県は複数あります。表は差の目立つ県を抜粋しています。

都道府県 初任給(大卒・令和7年)の順位と値 全年齢の所定内給与額(順位) 初任給÷全年齢(編集部算出)
全国 262.3千円 340.6千円 77.0%
秋田県 3位(274.4千円) 275.8千円(43位) 99.5%
佐賀県 6位(266.5千円) 279.7千円(40位) 95.3%
大分県 1位(280.8千円) 295.2千円(31位) 95.1%
長崎県 9位(263.0千円) 284.6千円(38位) 92.4%
東京都 2位(275.5千円) 418.3千円(1位) 65.9%
神奈川県 16位(259.5千円) 368.6千円(2位) 70.4%
大阪府 10位(262.6千円) 348.9千円(3位) 75.3%
広島県 36位(243.0千円) 320.2千円(13位) 75.9%
奈良県 32位(248.0千円) 321.8千円(11位) 77.1%

(出典: 全年齢はe-Stat 令和7年(参考表)都道府県別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(47都道府県一覧)の一般労働者・男女計の所定内給与額。比率と全年齢の順位は編集部算出)

東京都は全年齢で1位ですが、初任給は2位で、比率は65.9%です。一方、秋田県では初任給が全年齢の値とほぼ並んでいます。

注意したいのは、全年齢の値が一般労働者全体(全学歴・全年齢)で、初任給は大学卒の新規学卒者というように、対象が違う点です。同じ人を追跡したデータではないため、「入社後に伸びる県・伸びない県」とは読めません。初任給の高さだけでなく、その県で働く人全体の賃金水準も別の数字として見ておく、という整理にとどめるのが妥当です。なお、賃金水準は業界によっても大きく異なります。業界別の水準は業界別の平均賃金ランキングで確認できます。

都道府県別の初任給を読むときの3つの注意

都道府県は出身地ではなく事業所側の区分と読むのが自然で、都道府県別の表には新規学卒者の人数が載っておらず、数字は6月分の所定内給与額です。

都道府県は出身地や大学の所在地ではない

厚生労働省「調査の概要・用語の解説」によると、この調査は「都道府県、産業及び事業所規模別に一定の方法で抽出した事業所を客体とする」ものです。事業所を単位に調べる調査なので、都道府県別の値は、働いている事業所がある都道府県の値と読むのが自然です。同じ会社でも、どの事業所で働くかによって、集計される都道府県が変わる場合があります。

都道府県別の表には新規学卒者の人数が載っていない

新規学卒者の産業別の表(新規学卒者第1表)には労働者数がありますが、都道府県別第4表には新規学卒者の人数の列がなく、標本の大きさは表から判断できません。参考として、一般労働者全体の推計人数(参考表、十人単位)は東京が572,461、鳥取が11,330で、約50倍の差があります(編集部算出)。

厚生労働省の注意書きには「集計区分によってはサンプルサイズが少ないことにより、標本誤差が大きくなる場合があるため注意を要する。」とあります。また、目標精度は「常用労働者の1人平均所定内給与額について設定し、…都道府県、表章産業及び企業規模別の標準誤差率を5%以内に定めている」ものです。新規学卒者だけを取り出した値は、この目標の対象として示されているわけではありません。誤差が大きいと断定はできませんが、1つの県の1年分の値を細かい順位まで読み込むのは避けたほうがよいでしょう。

6月分の所定内給与額で、募集要項の初任給とは範囲が違う

所定内給与額は、きまって支給する現金給与額(基本給や通勤手当・家族手当などを含む)から超過労働給与額(残業代など)を除いた額で、税・社会保険料を引く前の額です。正社員以外の一般労働者も含む推計値のため、募集要項の初任給とは範囲が違う場合があります。詳しい違いは初任給の業界別ランキングで解説しています。

体育会・部活動の学生がランキングを使うときの考え方

県の平均は勤務地を考える入口の目安にとどめ、働く場所を選ぶ理由や個別企業の条件は別に確かめるのが現実的です。

地元で働くかどうかを、給与以外の理由で選ぶ人もいる

勤務地の選び方には、給与の差以外の理由もあります。同志社大学ボウリング部のOBは、新卒で信用金庫を選んだ理由について「地元に近い場所で働きたいという思いがあったからです。(中略)地域に根ざした金融機関であれば活動エリアも比較的限定されており、地元に近い環境で働きながら、多様な業種の企業と関わることができると考えました」と話しています(取材記事、ツナカレメディア、2026年8月28日掲載)。

東北大学アイスホッケー部OBの記事では、地元の街があるデベロッパーによって50年かけてつくられたと知り、街づくりの仕事に惹かれていったことが、デベロッパー業界を志望したきっかけとして紹介されています(取材記事、ツナカレメディア、2026年1月22日掲載)。

勤務地の希望には、給与の差だけでなく、地元とのつながりや仕事の中身といった理由もある、という一例です。地方の大学から就活を進める工夫は、地方大学の体育会学生の就活にまとめています。

県の平均ではなく、志望企業の条件で比べる

県の値は、多くの企業・業界を合わせた平均です。志望する企業の初任給がこの値と同じとは限りません。金額帯ごとの分布は、初任給の中央値と分布で確認できます。

業界研究と組み合わせる

勤務地の候補が決まったら、その地域でどの業界の企業が採用しているかを調べると、候補を具体的にしやすくなります。調べ方は業界研究のポイント(ツナカレメディア)を参考にしてください。

志望企業で確認したい勤務地と初任給の中身

県のデータで候補を考えたら、初任給が勤務地で変わるか、配属や転勤の範囲はどうかを、募集要項や説明会で確認するのが次の一手です。

確認項目 確認できる場所 質問例
初任給が全国一律か、勤務地で異なるか 募集要項、説明会 「初任給は勤務地によって異なりますか。異なる場合、地域ごとの手当はありますか」
初期配属の勤務地の決まり方 説明会、面接の逆質問 「初期配属の勤務地は、どのような考え方で決まりますか。希望を伝える機会はありますか」
転勤の有無と範囲 募集要項、説明会 「転勤はありますか。ある場合、範囲は全国ですか、地域内ですか」
住宅手当・社宅・寮の有無 募集要項、説明会 「住宅手当や社宅・寮の制度はありますか。支給条件はありますか」
初任給の内訳(基本給と手当) 募集要項、説明会 「初任給のうち、基本給と各種手当はそれぞれいくらですか」
勤務地と競技継続の両立 OB・OG訪問 「社会人で競技を続けている方は、勤務地や休日をどう調整していますか」

まとめ

令和7年の大卒初任給(全国)は262.3千円で、都道府県別では大分県の280.8千円から山形県の230.3千円まで開きがあります。前年とは順位が大きく入れ替わり、全年齢の賃金とも順位が一致しない県があります。都道府県は事業所側の区分で、都道府県別の表には新規学卒者の人数がありません。県のデータは勤務地を考える入口として使い、志望企業の初任給や配属、転勤の条件は個別に確認しましょう。

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FAQよくある質問

大卒の初任給が最も高い都道府県はどこですか?
令和7年の大学卒・男女計では、大分県が280.8千円で最も高く、東京都275.5千円、秋田県274.4千円が続きます。最も低いのは山形県の230.3千円です。ただし前年(令和6年)は群馬県が284.5千円で1位、大分県は41位で、順位は年によって大きく入れ替わっています。いずれも6月分の所定内給与額(月額)です。
統計の「都道府県」は出身地や大学の所在地のことですか?
出身地や大学の所在地の数字ではありません。この調査は都道府県・産業・事業所規模別に抽出した事業所を対象にしているため、都道府県別の値は、働いている事業所がある都道府県の値と読むのが自然です。
東京で働くと初任給は高いのですか?
令和7年の東京都は275.5千円で47都道府県中2位、前年は254.3千円で5位でした。ただし、勤務地によって初任給を変えるかどうかは企業ごとに異なるため、志望企業の募集要項や説明会で確認するのが現実的です。

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