社会人になっても週末に競技やクラブチームの予定を確保したい、求人票の「週休2日制」が何を意味するのか分からない、といった理由で休日の形を気にする人がいます。この記事では、厚生労働省の公的統計の産業別表をもとに、完全週休2日制の割合と年間休日を16産業で並べました。働く人の割合で見たときの違い、前年からの変化、就活での読み方まで扱います。ランキングは休みやすさを保証するものではなく、業界を知る入口として使うための整理です。

この記事の数字の出どころとランキングの作り方

順位はすべて厚生労働省「就労条件総合調査」の公表値を高い順に並べただけで、編集部の独自アンケートや評価は入れていません。線引きは次の5点です。

  • 令和7年調査の産業別統計表(e-Stat掲載の第2〜5表)を使っています。
  • 産業別の値は「結果の概況」には載っておらず、e-Statの統計表(2026年3月13日公開)にあります。
  • 前年との比較には、令和6年調査の同じ表を使っています。
  • 企業別のランキングや口コミサイトの数値は扱いません。
  • 体育会出身者に限定した産業別のデータは、制作時に確認した範囲では見当たりませんでした。

調査の概要は次のとおりです。

項目 内容
調査名 令和7年就労条件総合調査
実施主体 厚生労働省
調査対象 日本標準産業分類に基づく16大産業で、常用労働者30人以上の民営企業
調査時点 2025年1月1日現在(年間休日は2024年1年間)
調査客体数・有効回答数 6,448・3,820(有効回答率59.2%)
公表日 概況は2025年12月19日、産業別統計表のe-Stat公開は2026年3月13日

(出典: 厚生労働省「令和7年就労条件総合調査 結果の概況」、調査概要PDF 1ページ、e-Stat 令和7年就労条件総合調査 労働時間制度の統計表)

結論|完全週休2日制の割合が最も高いのは情報通信業の95.7%、最も低いのは鉱業の43.7%

完全週休2日制を採用している企業は全体で65.5%(前年は56.7%)で、16産業のうち最高の情報通信業95.7%と最低の鉱業,採石業,砂利採取業43.7%の間には52.0ポイント(編集部算出)の開きがあります。

全体の数字は次のとおりです。

項目 令和7年調査 令和6年調査
完全週休2日制の企業割合 65.5% 56.7%
何らかの週休2日制の企業割合 92.6% 90.9%
完全週休2日制の適用労働者割合 73.3% 65.2%
1企業平均年間休日総数 112.4日 112.1日
労働者1人平均年間休日総数 116.6日 116.4日

年間休日は、1企業平均・労働者1人平均のどちらも昭和60(1985)年以降で最も多い水準です。

(出典: 令和7年調査 結果の概要 6〜7ページ)

「週休2日制」と「完全週休2日制」の違い(調査の定義)

完全週休2日制は毎週2日の休みがある形です。調査では、月に1回だけ週2日休みになる形も「何らかの週休2日制」に含めており、「週休2日」という言葉だけでは毎週2日休めるかどうかは分かりません。調査の区分は次のとおりです。

区分 内容
完全週休2日制 毎週2日の休み
完全週休2日制より休日日数が実質的に少ない制度 月3回・隔週・月2回・月1回の週休2日制のほか、3勤1休・4勤1休など
何らかの週休2日制 上の2つの合計

企業の割合で見ると、何らかの週休2日制は92.6%で、そのうち完全週休2日制が65.5%、休日日数が実質的に少ない制度が27.1%です。求人票の休日欄がどちらの意味で書かれているかは、個別に確認したほうが確実です。

調査の「主な週休制」は、企業に2つ以上の週休制がある場合に、最も多くの労働者に適用される形態を指します。そのため、同じ会社でも職種や部署によって休日の形が異なる場合があります。

また、調査の区分は休日の日数の形によるもので、休日が土日かどうかは区分していません。週末に予定を入れたい場合は、休日の曜日を別に確認する必要があります。

(出典: 令和7年調査 結果の概要 6ページ、e-Stat第2表の注)

完全週休2日制の業界別ランキング(16産業・企業割合)

企業割合が最も高いのは情報通信業の95.7%で、金融業,保険業の94.4%、学術研究,専門・技術サービス業の86.2%と続き、下位には運輸業,郵便業の44.9%、鉱業,採石業,砂利採取業の43.7%が並びます。

順位 産業 完全週休2日制 何らかの週休2日制 週休1日制又は週休1日半制
1 情報通信業 95.7% 98.0% 1.0%
2 金融業,保険業 94.4% 97.4% −
3 学術研究,専門・技術サービス業 86.2% 97.4% 1.1%
4 医療,福祉 78.1% 94.0% 4.5%
5 不動産業,物品賃貸業 74.6% 99.8% 0.1%
6 電気・ガス・熱供給・水道業 74.1% 96.3% 1.0%
7 複合サービス事業 66.9% 91.6% 8.4%
8 卸売業,小売業 65.5% 92.8% 4.5%
9 建設業 62.7% 93.5% 5.2%
10 サービス業(他に分類されないもの) 61.4% 87.2% 9.3%
11 製造業 59.9% 96.5% 2.5%
12 宿泊業,飲食サービス業 56.9% 86.9% 8.9%
13 教育,学習支援業 54.9% 92.9% 6.2%
14 生活関連サービス業,娯楽業 52.3% 90.5% 7.9%
15 運輸業,郵便業 44.9% 80.6% 17.8%
16 鉱業,採石業,砂利採取業 43.7% 90.9% 4.9%

(出典: e-Stat 令和7年就労条件総合調査 第2表。「−」は該当なし。企業割合)

この表は高い順に並べただけで、おすすめ順や働きやすさの保証ではありません。差が生じた理由も調査からは分からないため、以下ではデータで言える範囲だけを解説します。

産業ごとの読みどころ

  • 医療,福祉(4位): 78.1%で、電気・ガス・熱供給・水道業(74.1%)や不動産業,物品賃貸業(74.6%)を上回っています。ただし後述のとおり、働く人の割合で数えると順位は9位に下がります。
  • 不動産業,物品賃貸業(5位): 完全週休2日制は74.6%ですが、何らかの週休2日制は99.8%で16産業の中で最も高くなっています。
  • 卸売業,小売業(8位): 65.5%で、内訳は卸売業が77.8%、小売業が55.5%です。同じ産業の中でも差があることが分かります(e-Stat第2表)。
  • 製造業(11位): 完全週休2日制は59.9%ですが、何らかの週休2日制は96.5%です。残りの36.6%は、月1〜3回・隔週の週休2日制など「完全週休2日制より休日日数が実質的に少ない制度」です。製造業の中でも、機械関連67.6%・素材関連59.8%・消費関連51.0%と差があります(e-Stat第2表)。
  • 運輸業,郵便業(15位): 44.9%で、週休1日制又は週休1日半制が17.8%と16産業で最も多くなっています。

働く人の割合で見ると順位が入れ替わる

企業の数で数えた割合と、働く人の数で数えた割合(適用労働者割合)では、順位が変わる産業があります。次の表は、完全週休2日制の適用労働者割合の高い順に並べたものです。

産業 企業割合(順位) 労働者割合(順位)
金融業,保険業 94.4%(2位) 98.3%(1位)
情報通信業 95.7%(1位) 96.7%(2位)
複合サービス事業 66.9%(7位) 92.8%(3位)
学術研究,専門・技術サービス業 86.2%(3位) 89.8%(4位)
電気・ガス・熱供給・水道業 74.1%(6位) 87.2%(5位)
不動産業,物品賃貸業 74.6%(5位) 80.4%(6位)
建設業 62.7%(9位) 76.5%(7位)
製造業 59.9%(11位) 75.3%(8位)
医療,福祉 78.1%(4位) 73.9%(9位)
卸売業,小売業 65.5%(8位) 69.8%(10位)
宿泊業,飲食サービス業 56.9%(12位) 67.9%(11位)
サービス業(他に分類されないもの) 61.4%(10位) 66.2%(12位)
生活関連サービス業,娯楽業 52.3%(14位) 63.0%(13位)
教育,学習支援業 54.9%(13位) 62.6%(14位)
鉱業,採石業,砂利採取業 43.7%(16位) 47.2%(15位)
運輸業,郵便業 44.9%(15位) 39.7%(16位)
全体 65.5% 73.3%

(出典: e-Stat 令和7年就労条件総合調査 第2表・第3表。順位は編集部が並べ替え)

注目点は、複合サービス事業が7位から3位、製造業が11位から8位に上がる一方、医療,福祉は4位から9位に下がることです。運輸業,郵便業は労働者割合では39.7%で最下位になります。

企業割合は企業1社を1として数えた割合で、労働者割合は働く人の数で数えた割合です(適用労働者には、労働時間の定めのない管理監督者などは含まれません)。企業規模別の完全週休2日制の企業割合は、1,000人以上が77.9%、300〜999人が73.2%、100〜299人が70.7%、30〜99人が62.6%で、大きい企業ほど割合が高くなっています。企業割合と労働者割合に差が出る産業がありますが、その理由までは調査から確認できません。

働く人の側から見たい場合は、労働者割合も参考になります。ただし、労働時間の定めのない管理監督者などは含まれていません。

年間休日の業界別ランキング|120日以上の企業割合も比較

1企業平均の年間休日が最も多いのは情報通信業の122.2日、最も少ないのは宿泊業,飲食サービス業の102.2日で、その差は20.0日(編集部算出)です。

順位 産業 1企業平均 労働者1人平均 120日以上の企業割合(編集部算出)
1 情報通信業 122.2日 123.2日 90.6%
2 金融業,保険業 121.6日 121.7日 93.3%
3 学術研究,専門・技術サービス業 121.4日 122.1日 82.2%
4 電気・ガス・熱供給・水道業 119.4日 121.9日 70.2%
5 不動産業,物品賃貸業 116.6日 118.9日 52.4%
6 複合サービス事業 115.0日 108.8日 67.1%
7 製造業 114.2日 119.3日 40.4%
8 医療,福祉 114.0日 115.1日 38.3%
9 教育,学習支援業 113.4日 116.7日 36.0%
10 建設業 112.8日 117.9日 38.2%
11 サービス業(他に分類されないもの) 112.7日 114.0日 44.3%
12 卸売業,小売業 111.8日 116.3日 34.7%
13 鉱業,採石業,砂利採取業 110.5日 113.3日 21.2%
14 生活関連サービス業,娯楽業 105.3日 109.4日 18.0%
15 運輸業,郵便業 104.2日 107.6日 20.8%
16 宿泊業,飲食サービス業 102.2日 108.0日 10.2%
- 全体 112.4日 116.6日 39.3%

(出典: e-Stat 令和7年就労条件総合調査 第4表・第5表。順位は1企業平均の高い順)

年間休日は、企業で最も多くの労働者に適用される年間休日総数(2024年1年間)です。120日以上の企業割合は、第4表の「120〜129日」と「130日以上」の企業割合を編集部が合計した値です。1企業平均と労働者1人平均で順位が違う産業もあり、たとえば製造業は1企業平均では7位、労働者1人平均では5位です。

完全週休2日制でも年間休日が多いとは限らない

1年はおよそ52週なので、毎週2日休むだけで約104日(編集部算出)になります。120日に届くかどうかは、祝日・夏季休暇・年末年始などの扱いによります。

実際、2つの数字が一致しない産業があります。複合サービス事業は労働者の92.8%が完全週休2日制ですが、労働者1人平均の年間休日は108.8日で16産業中14位です。労働者の70.2%が100〜109日の階級にいます(第3表・第5表)。逆に製造業は、完全週休2日制の企業割合が11位(59.9%)でも、労働者1人平均の年間休日は119.3日で5位です。「完全週休2日制なら休みが多い」「年間休日が多ければ毎週2日休める」とは、どちらも言い切れません。

週休制と年間休日は別々に確認するとよいでしょう。

前年からの変化|全体で8.8ポイント上昇、1年で20ポイント近く動いた産業も

令和6年調査と比べると、完全週休2日制の企業割合は全体で56.7%から65.5%へ、8.8ポイント(編集部算出)上がりました。産業によって変化の幅が大きく、単年の順位だけで業界を判断しにくいことが分かります。

産業 令和6年調査(順位) 令和7年調査(順位) 差(編集部算出)
情報通信業 89.2%(3位) 95.7%(1位) +6.5pt
金融業,保険業 95.5%(1位) 94.4%(2位) −1.1pt
学術研究,専門・技術サービス業 91.1%(2位) 86.2%(3位) −4.9pt
医療,福祉 63.1%(7位) 78.1%(4位) +15.0pt
不動産業,物品賃貸業 70.5%(5位) 74.6%(5位) +4.1pt
電気・ガス・熱供給・水道業 73.1%(4位) 74.1%(6位) +1.0pt
複合サービス事業 63.2%(6位) 66.9%(7位) +3.7pt
卸売業,小売業 52.5%(11位) 65.5%(8位) +13.0pt
建設業 45.9%(13位) 62.7%(9位) +16.8pt
サービス業(他に分類されないもの) 62.0%(8位) 61.4%(10位) −0.6pt
製造業 53.5%(10位) 59.9%(11位) +6.4pt
宿泊業,飲食サービス業 40.6%(14位) 56.9%(12位) +16.3pt
教育,学習支援業 61.3%(9位) 54.9%(13位) −6.4pt
生活関連サービス業,娯楽業 52.3%(12位) 52.3%(14位) ±0.0pt
運輸業,郵便業 35.0%(15位) 44.9%(15位) +9.9pt
鉱業,採石業,砂利採取業 23.9%(16位) 43.7%(16位) +19.8pt
全体 56.7% 65.5% +8.8pt

(出典: e-Stat 令和7年就労条件総合調査 第2表、e-Stat 令和6年就労条件総合調査 労働時間制度の統計表(表番号2)。差は両調査の値から編集部が算出)

注目点は次のとおりです。

  • 上昇幅が大きかった産業: 鉱業,採石業,砂利採取業が+19.8ポイント、建設業が+16.8ポイント、宿泊業,飲食サービス業が+16.3ポイント、医療,福祉が+15.0ポイントです(いずれも編集部算出)。
  • 下がった産業: 教育,学習支援業が−6.4ポイント、学術研究,専門・技術サービス業が−4.9ポイント、金融業,保険業が−1.1ポイント、サービス業(他に分類されないもの)が−0.6ポイントです(いずれも編集部算出)。
  • 上位の入れ替わり: 令和6年調査で1位だった金融業,保険業は2位、2位だった学術研究,専門・技術サービス業は3位になり、情報通信業が3位から1位に上がっています。

この調査は、産業・企業規模別に層化して無作為に抽出した企業を対象にした標本調査です(調査概要PDF 1ページ)。変動の理由は、調査からは分かりません。1年分の変化だけを見て、その産業の休み方が変わったと読むのは控えたほうがよいでしょう。

体育会・部活動の学生がこのデータを読むときの注意

数字は産業単位の平均で、調査対象にも範囲があり、休日の曜日までは分かりません。そのため、業界を絞る段階の参考として使うのが現実的です。

1. 産業の平均値であること

同じ産業の中でも、企業によって状況は異なります。企業規模別の完全週休2日制の企業割合は、次のとおりです。

企業規模 完全週休2日制の企業割合
1,000人以上 77.9%
300〜999人 73.2%
100〜299人 70.7%
30〜99人 62.6%

(出典: 令和7年調査 結果の概要 6ページ)

産業の平均値がそのまま志望企業に当てはまるとは限りません。

2. 調査対象の範囲

調査の対象は常用労働者30人以上の民営企業です。公務員や、常用労働者が30人未満の企業の数字は含まれていません。

3. 産業区分と業界イメージのずれ

統計の「産業」は、学生が思い浮かべる「業界」と一致しないことがあります。志望企業がどの産業に分類されるかは、先に確認しておくとよいでしょう。産業区分と業界イメージのずれについては、有給取得率の業界別ランキングで具体例を挙げて扱っています。

4. 週末に活動を続けたい場合は曜日まで確認する

北海学園大学ソフトテニス部の取材では、「全体練習は土日の週2日で、平日は自主練習にしています」と答えており、部員には「平日にアルバイトをして土日の部活に力を入れる人もいます」と話しています(取材記事、ツナカレメディア、2026年7月3日掲載)。

このように学生のうちから週末を活動の中心にしていて、社会人になっても週末に活動を続けたい場合は、完全週休2日制かどうかに加えて、休みが土日かどうかも確認しておくと判断しやすくなります。調査は休日の曜日を区分していないため、曜日はこの記事の表からは分かりません。

休日データ以外のきっかけで業界が決まることもある

業界の決まり方は、休日の数字だけではありません。一橋大学アメリカンフットボール部OBは、部の先輩の声がけで電力会社に入社し、のちにスポーツ業界へ転職して、現在はサッカークラブの事業に携わっていると話しています(取材記事、ツナカレメディア、2026年8月28日掲載)。

取材した個人の例ですが、業界を選ぶきっかけは休日の多さ以外にもありうることを示しています。

業界を絞ったあとに個別企業で確認したいこと

業界データで候補を絞ったら、募集要項の休日欄の表記と年間休日の内訳を個別に確認するのが次の一手になります。

確認項目 確認できる場所 質問例
休日の表記(完全週休2日制か、週休2日制か) 募集要項・求人票 「毎週2日の休みですか」
休日の曜日 募集要項・説明会 「休日は土日ですか、シフトで決まりますか」
年間休日の日数と内訳 募集要項・採用ページ 「年間休日には祝日・夏季休暇・年末年始が含まれていますか」
配属先や職種による違い 説明会・OB・OG訪問 「部署によって休日の形は違いますか」
繁忙期の休日出勤 OB・OG訪問 「繁忙期に休日出勤はありますか」

休暇の取りやすさについては有給取得率の業界別ランキング、給与については業界別 平均賃金ランキングで、同じく公的統計をもとに整理しています。業界研究の進め方は、業界研究のポイント(ツナカレメディア)も参考にしてください。

まとめ

完全週休2日制の企業割合は全体で65.5%、産業別では情報通信業の95.7%から鉱業,採石業,砂利採取業の43.7%まで幅があります。働く人の割合で数えると順位が入れ替わる産業があり、完全週休2日制と年間休日の多さも別々に見る必要があります。前年から大きく動いた産業もあるため、単年の順位だけで決めるのは避け、個別企業の募集要項で休日の表記と曜日を確認するのが現実的です。休日は業界選びの軸の1つにすぎません。軸の整理は就活の軸の決め方(体育会向け)も合わせて読んでみてください。

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