「就活の軸って言われても、何を基準に決めればいいのかわからない」——体育会学生の就活相談で、頻繁に出てくる悩みの一つです。

結論からお伝えすると、この記事は**「あなたの軸はこれです」と決めつける記事ではありません**。軸を決めるための考え方の整理と、部活経験を材料にした言語化のワークを紹介します。軸は一度決めたら固定するものでもないため、変化することも前提に読み進めてください。

「就活の軸」と「志望動機」は別物です

まず整理しておきたいのが、就活の軸は自分側の判断基準、志望動機は企業への伝え方という違いです。

  • 就活の軸:自分が仕事を選ぶうえで大事にしたいこと(内向き。自分の頭の中の整理)
  • 志望動機:軸を踏まえてその企業を選んだ理由(外向き。企業への説明)

軸が先にあって、志望動機はその軸を特定の企業に当てはめた結果、という関係になります。業界別の志望動機の組み立て方や例文は体育会学生の志望動機例文3選で扱っているので、軸が固まったあとはそちらも参考にしてください。この記事では、その手前にある「軸そのものの決め方」に絞って解説します。

なぜ体育会学生は軸が定まりにくいのか

体育会学生が軸を決めにくい背景には、次のような事情があります。

  • 練習中心の生活で、企業研究に使える時間が少ない:多くの企業を見比べる時間が取りづらく、判断材料が不足しがちです
  • 部活の経験が「軸」の形にまだ変換されていない:頑張った事実はあっても、そこから抽出できる価値観を言語化したことがない場合があります
  • 「体力」「根性」以外の軸が見えにくい:部活経験というと体力面ばかりが浮かび、自分の判断基準がそこで止まってしまうことがあります

これらは能力の問題ではなく、軸を言語化する機会をまだ持てていないだけ、というケースがほとんどです。

断定しない軸の決め方:3ステップ

軸を一気に決めようとせず、次の3ステップで進めます。

ステップ1:部活のエピソードを場面ごとに書き出す

「嬉しかった場面」「悔しかった場面」「夢中になれた場面」を、成果ではなく場面単位でいくつか書き出します。この段階では、就活を意識しすぎず思いつくままで構いません。

ステップ2:場面ごとに感じた感情を言葉にする

書き出した場面それぞれについて、「なぜ嬉しかったのか」「なぜ悔しかったのか」を一言で言語化します。ここで出てくる言葉が、軸の原型になります。

ステップ3:複数の軸候補を並べ、優先順位をつける

感情から見えてきた要素を軸の候補としていくつか並べ、「今の自分にとって、どれがより大事か」という優先順位をつけます。一つに絞りきれなくても構いません。

軸を言語化するワーク表

実際に手を動かして整理する際は、次のような表を使うと進めやすくなります。

部活での場面 そのとき感じたこと 軸の候補になりそうな言葉
例:数字目標を追って達成できた 達成の瞬間が一番燃えた 目標達成にこだわれる環境で働きたい
例:チームの連携がうまくいかず悔しかった 個人の力より仕組みの弱さを感じた 仕組みや仕事の進め方を考える仕事がしたい
例:後輩の成長を間近で見た 自分のこと以上に嬉しかった 人の成長に関わる仕事がしたい

この表を自分の経験で3〜5行分埋めてみると、いくつかの軸候補が自然に見えてきます。すべてを使う必要はなく、今の自分がしっくりくるものから優先順位をつけてください。

複数の候補から優先順位をつける簡単な方法

軸の候補が2つ以上出てきたら、一気に順位をつけようとせず、2つずつ比べる方法がおすすめです。「目標達成にこだわれる環境」と「人の成長に関わる環境」なら、今の自分はどちらにより惹かれるか。これを候補の組み合わせ分だけ繰り返すと、全体を一度に並べるより判断しやすくなります。

比べた結果、優劣がつけがたい候補が残ることもあります。その場合は無理に一つに絞らず、両方を残したまま企業選びを進めても構いません。実際に説明会やインターンで企業に触れる中で、どちらがより自分に合っているかが後から見えてくることもあります。

軸は情報が増えるほど変わっていくもの

軸を一度言語化すると、それを「完成形」として固定してしまいたくなりますが、軸は就活を進める中で更新されていくものだと捉えておくと、余計な焦りを減らせます。企業説明会やOB・OG訪問で新しい情報に触れれば、「思っていたのと違った」と感じる場面も出てきます。そのたびに軸を見直すことは、判断がぶれているのではなく、情報を反映して精度を上げている状態です。OB・OG訪問や説明会で得た一次情報は、軸を検証するための材料としても活用できます。

軸ができたあとにやること

軸の候補が見えてきたら、次はその軸に合いそうな業界・職種を広げて見てみる段階に進みます。体育会経験と業界の接点については体育会学生に向いている業界・職種、自己分析そのものの進め方を体系的に知りたい方はツナカレメディアの自己分析のやり方も参考になります。軸を企業ごとの志望動機に落とし込む段階になったら、前述の体育会学生の志望動機例文3選をご覧ください。練習で時間が取れず、このワーク自体をまとまった時間で行うのが難しい方は自己分析のやり方|時間がない体育会学生向け時短法もあわせてご覧ください。

こんな学生に読んでほしい

  • 「就活の軸」と言われても、何から手をつければいいかわからない人
  • 部活の経験はあるのに、それを軸の言葉にできていない人
  • 軸を一つに決めきれず、決められないことに焦りを感じている人

まとめ:軸は一度で決め切るものではありません

就活の軸は、部活のエピソードを場面ごとに書き出し、そこで感じた感情を言葉にし、複数の候補から優先順位をつけるという手順で少しずつ言語化できます。最初から一つに絞る必要はなく、選考が進む中で変化していくことも自然な過程です。

自分の経験から軸を一緒に言語化したいという方は、ツナカレ就活の無料相談へどうぞ。体育会・学生団体の学生の相談を日常的に受けている編集部が、言語化のお手伝いをします。