「練習と授業で一日が終わり、SPIの問題集を開く時間がない」「試合前の週にWebテストの案内が届いて、焦っている」。体育会の学生が就活を始めると、ES(エントリーシート)や面接と並んで、Webテストの準備に頭を悩ませる場面があります。
結論から言うと、まとまった勉強時間が取れない場合は、「受検形式を確認する」「練習日・オフ日・移動時間に作業を振り分ける」「受検日を部活の予定から決める」の3つの進め方で、時間の使い方を組み立てる方法があります。 この記事では、勉強時間の数字を一つに決めつけず、体育会の生活に合わせた進め方を整理します。
月ごとにやることの全体像は11月のチェックリストと3月のチェックリストで扱っています。この記事は、その中の「Webテスト」だけを取り出して、時間の組み立て方を深掘りします。
まず、Webテストの受検形式で「時間の使い方」が変わる
SPIには受検方法が複数あり、どの形式かによって、部活の予定との合わせ方が変わります。 SPIを提供するリクルートマネジメントソリューションズの就職準備応援サイトでは、次のような受検方法が案内されています(出典: リクルートマネジメントソリューションズ「就職準備応援サイト」)。
| 受検方法 |
概要 |
部活の予定との合わせ方 |
| テストセンター |
専用会場、または自宅などのパソコンでのオンライン会場で、監督者のもとで受検 |
予約した日時に受検する。練習・試合の日程から外して予約する |
| WEBテスティング |
指定された期間内に、自宅や学校などのパソコンから受検 |
期間内で都合のよい時間を選べる。オフ日や練習のない時間帯を選ぶ |
| ペーパーテスティング |
応募先企業が用意した会場で、マークシートで受検 |
会場・日時が決まっているため、早めに予定を調整する |
| インハウスCBT |
応募先企業に出向き、企業内のパソコンで受検 |
面接などと同じ日に設定される場合がある。移動時間も考える |
テストセンターとWEBテスティングの詳細は、それぞれ実施元の解説ページ(テストセンター、WEBテスティング)にまとまっています。企業によって使う形式や、能力検査以外の検査の有無も異なります。企業の案内メールや募集ページに、受検方法と期間が書かれているかを、最初に確認します。
SPI以外にも、企業によって別の種類のWebテストが使われます。この記事では、SPIの形式を例に説明しますが、受検案内の指示を優先してください。
Webテストは「選考の前段階」として、思ったより早く案内が来る場合がある
ESの提出やWebテストの受検は、政府の要請で「採用選考活動」とは区別されており、6月1日より前に案内が来る場合があります。 内閣官房などが定める「就職・採用活動に関する要請」では、エントリーシートの提出、ウェブテストやテストセンターの受検などによる事前スクリーニングは、日程・場所等に関して学生に大幅な裁量が与えられていることから、採用選考活動とは区別する、とされています(出典: 内閣官房「2027年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請」)。
ここから言えるのは、引退前でも、企業によっては早い時期からWebテストの受検を求められる場合があるということです。就活の用語や日程の読み方は、就活スケジュール用語集で整理しています。部活の本番シーズンと重なる可能性があるため、引退前の時期から、問題集を一度は開いておくという備え方もあります。
進め方1|最初に「いまの自分の状態」を一度確かめる
勉強時間を決める前に、問題集の1回分を時間を計って解いてみて、どの分野が負担になっているかを確かめる方法があります。 練習時間が限られる体育会では、全分野を均等に勉強するよりも、負担になっている分野に時間を配るほうが、限られた時間を使いやすくなる場合があります。
確認の手順の例は次のとおりです。
- 市販の問題集の最初の模擬1回分を、実際の制限時間に近い形で解く
- 言語分野と非言語分野で、解き終わらなかった問題や、手が止まった問題に印をつける
- 手が止まった理由を「知らなかった(公式や語彙)」「時間が足りなかった」「読み間違い」に分ける
- 理由が「知らなかった」の分野から、復習の順番を決める
時間の目安については、就活メディアの一つであるコトラのSPI解説では、30時間の勉強時間を確保することが推奨されるとして、言語10時間、非言語15時間、模擬試験5時間の内訳が紹介されています(出典: コトラ「SPI勉強はいつから?最短30時間で突破する勉強法」)。ただし、これは一つのサイトの推奨例で、必要な時間は人によって、また志望する企業の求める水準によっても異なります。自分の現在地を見たうえで、この数字を参考として使う程度にとどめます。
進め方2|練習日・オフ日・移動時間に、作業の種類を振り分ける
勉強時間を「一日の中の同じ時間帯」に確保しようとせず、体育会の一週間の形に合わせて、作業の種類を振り分ける方法があります。 練習日に長い時間を取るのは難しくても、短い時間なら使える場合があります。次の表は編集部の整理例で、すべての人に合うものではありません。
| 一日の種類 |
使える時間の例 |
向いている作業の例 |
避けたい作業の例 |
| 練習日(授業あり) |
移動中や練習前後の15〜30分程度 |
語彙・言い換えなど短く区切れる問題、昨日間違えた問題の見直し |
途中で止めにくい模擬試験の通し |
| 練習日(疲労が強い日) |
ほぼなし |
公式や解き方のメモを眺める程度 |
新しい分野に初めて取り組む |
| オフ日 |
半日〜1日 |
時間を計って解く模擬試験、苦手分野のまとめ復習、テストセンターの受検 |
予定を詰め込みすぎて休養が取れなくなること |
| 遠征・合宿の移動 |
数十分〜数時間 |
手を動かさず進められる復習(公式や用語の確認) |
計算用紙が必要な問題 |
ここで大切なのは、「毎日一定時間やる」ことを目標にしないことです。体育会の生活は、練習の強度や試合の有無で、使える時間が週ごとに大きく変わります。「今週のオフ日に何を終えるか」を決めておき、練習日は短い作業で積み上げる、という考え方のほうが続けやすい場合があります。
途中で止めにくい作業は、オフ日にまとめる
Webテストは、受検を始めると途中で止めにくい場合があります(形式や企業の案内によって異なります)。時間を計って通しで解く練習は、練習の前後に押し込まず、オフ日にまとめる方法があります。練習後の疲れた状態で通しの練習をすると、時間配分の感覚をつかみにくい場合もあるためです。
進め方3|受検日は「部活の予定」から先に決める
テストセンターのように日時を予約する形式では、練習・試合・遠征の予定を先にカレンダーに入れ、そこから外れた日に受検日を置く方法があります。 受検の案内が届いてから予定を探すと、期限の近くで空いている枠が少なくなる場合があるためです。
予約と受検の注意として、次の点を確認します。
- 受検期間と締切の日付(案内メールや企業の募集ページに書かれている)
- 予約方法と、予約が必要な形式かどうか
- 自宅受検の場合は、パソコンとインターネット環境、受検に向いた場所があるか
- 会場受検の場合は、本人確認に必要な書類など、持ち物が決められているか
インターンシップや本選考の締切が近い時期は予約で埋まりやすいとして、早めの受検を勧めている民間サイトもあります(出典: リアシュ「SPIテストセンターの制限時間/問題数一覧」)。案内が届いたら、その日のうちに期限をカレンダーに入れ、受検日を仮でも置くことを習慣にしておくと、見落としを減らしやすくなります。ESの締切との重なりが不安な場合は、ES締切に間に合わない時の対処法も合わせて参考にしてください。
部活のシーズンごとの考え方
シーズン中と、シーズンオフでは、使い方を変える考え方があります。
- シーズン中: 新しい勉強を増やすより、すでに取り組んだ問題の見直しと、受検日の予定確保を優先する
- オフシーズン・引退後: 模擬試験の通し練習や苦手分野のまとめ復習に時間を使う
どちらも編集部の整理で、競技や大学の予定によって変わります。
取材に見る、練習と就活を並べるときの声
ツナカレメディアの取材から、練習と就活の時間の使い方に関する声を紹介します。いずれも個人や部の体験であり、Webテスト対策に直接触れたものではありません。
- ある大学のアイスホッケー部のOBは、部活動を最後まで続けながら就職活動を行ったため、エントリーした企業は約6社に絞られていたと話しています。志望業界はデベロッパーに絞っていました(取材記事、2026年1月22日取材)。応募する企業数を絞ると、ESやWebテストの準備に必要な量も変わります。
- ある大学のラクロス部は、就職活動を自己実現や未来創造の一部と捉え、必要に応じて部活動を休むことも認めている、と紹介されています(取材記事、2026年5月27日取材)。
- ある大学のテコンドー部の取材では、3・4年生になると就職活動や院試の勉強などで部活以外の予定が増え、練習への参加頻度が少なくなると紹介されています(取材記事、2026年8月4日取材)。
これらから言えるのは、部によって、就活の時間を確保する考え方が異なるということです。部に相談できる環境かどうかを確かめておくことも、時間をつくる手段の一つです。
受検の前日・当日に確認したい6つのこと
練習のある日の受検では、準備の漏れが出やすくなります。次のチェックを、前日までに済ませる方法があります。
まとめ|時間がない人こそ、「受検形式の確認」と「予定の先取り」から始める
体育会でまとまった勉強時間が取れない場合は、受検形式を確認し、練習日・オフ日・移動時間に作業を振り分け、受検日を部活の予定から先に決めるという3つの進め方で、時間を組み立てる方法があります。勉強時間の数字は一つに決まっているわけではないため、まず自分の現在地を確かめるところから始めると、無理のない計画を立てやすくなります。
進め方に迷う場合は、大学のキャリアセンターや先輩に相談する方法もあります。ツナカレ就活でも無料相談を受け付けています。