「第一志望の結果がまだ出ていないのに、別の企業から内定の返事を求められた」「リーグ戦の最中で、電話にも出られない」。複数の内定を前に、返事を待ってもらう連絡の仕方に悩む体育会の学生もいるのではないでしょうか。

結論から言うと、保留の連絡で意識したいのは**「早く・期限を具体的に・相談の形で」伝えること**です。そのうえで体育会の学生は、練習・試合・遠征で連絡がつきにくい時間をあらかじめ共有しておくと、行き違いを減らしやすくなります。この記事では、どの企業を選ぶかではなく、返事を待ってもらうときの連絡の実務と言い方に絞って整理します。承諾そのものの時期の考え方は内定承諾は部活引退の前後どちらがいい?で扱っています。

保留をお願いする前に確認する3つのこと

連絡の前に、「期限」「他社の結果が出る時期」「自分が何を理由に待つのか」の3点を整理しておくと、相談の内容が明確になります。

確認すること 具体的には 確認先
回答期限 内定通知の書面・メールに、返事の期限と方法が書かれているか 通知メール、内定通知書
他社の結果日 保留を頼む相手の期限より、他社の結果が先に出るか 他社からの案内
待つ理由 「判断の材料がほしい」の中身を一文で言えるか 自分の整理(紙に書く)

政府は2027年度卒の就職・採用活動について、正式な内定日を卒業・修了年度の10月1日以降とすることを経済団体などに要請しています(厚生労働省)。6月以降の内々定と10月以降の内定とで、書面や期限の呼び方が異なる場合もあるため、受け取った書面に書かれた期限を基準に確認してください。

3つの確認が済んでいないまま連絡すると、「いつまで待てばよいか」が相手に伝わらず、話が長引きやすくなります。

連絡の手段とタイミング:電話を基本に、メールで確認を残す

就活情報サイトでは、保留の相談は電話を基本にし、電話のあとに確認のメールを送る流れが紹介されています(参考:キャリタス就活、就活比較なび(CREX))。メールだけだと意図が伝わりにくい場合があるため、電話で相談し、合意した内容をメールで残す方法です。

連絡のタイミングについては、できるだけ早く、就活比較なび(CREX)では当日または翌営業日中が理想とされています。営業時間内に連絡することも基本として紹介されています。期限の当日や期限後の連絡は、先方の準備に影響する可能性があるため、迷ったときは早めに伝えるほうが無難です。

体育会の学生は「連絡がつく時間」も一緒に伝える

練習や試合の時間帯は電話に出にくい場合があり、不在着信が続くと「連絡がつかない」と受け取られる可能性があります。そのため、次のような工夫が考えられます。

  • 内定の連絡を受けたら、練習・試合・遠征の予定のうち、連絡がつきにくい日程を先に伝える
  • 折り返しが可能な時間帯(例:練習後の夕方以降)をメールに書いておく
  • 不在着信に気づいたら、できるだけ早く折り返す。出られない場合は、メールで一言入れておく
  • 電話をかける場所と時間を確保する(練習の休憩時間に慌てて話さない)

保留の言い方:電話・メールの例文

以下は言い方の例です。企業名・日付・理由は、自分の状況に合わせて書き換えてください。

電話での保留の相談(他社の結果待ち)

お世話になっております。〇〇大学の△△です。このたびは内定のご連絡をいただき、ありがとうございます。大変光栄に思っております。 実は、現在選考を受けている別の企業の結果が〇月〇日に出る予定でして、その結果を踏まえて、慎重に判断したいと考えております。 大変恐縮ですが、〇月〇日までお返事をお待ちいただくことは可能でしょうか。

ポイント: 感謝を最初に伝え、待ってほしい日付を具体的に示し、「お待ちいただけますか」と相談の形にします。

電話のあとに送るメール(確認用)

件名:内定のお返事の期限につきまして(〇〇大学 △△)

〇〇株式会社 人事部 〇〇様 お世話になっております。〇〇大学の△△です。 先ほどはお電話にて、貴重なお時間をいただきありがとうございました。 ご相談させていただいた通り、〇月〇日までお返事をお待ちいただけるとのこと、重ねてお礼申し上げます。期日までに、改めてご連絡いたします。 なお、〇月〇日〜〇日は大会のため日中の電話に出られない可能性がございます。メールでのご連絡をいただければ、〇時以降に折り返しいたします。 引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。

ポイント: 合意した期限を文章に残し、大会などで連絡がつきにくい日程を一緒に伝えています。

期限を延ばしてもらいたいとき

〇月〇日とお約束しておりましたが、〇〇の選考結果が〇月〇日となり、お約束の日までにお返事ができない見込みとなりました。大変申し訳ございませんが、〇月〇日までお待ちいただくことは可能でしょうか。難しい場合は、現時点での判断についてもご相談させてください。

ポイント: 約束の日を過ぎてから連絡するのではなく、見込みが立った時点ですぐに連絡します。再度のお願いになるため、理由と日付は具体的にします。

避けたい保留の理由と行動

就活情報サイトの就活比較なび(CREX)では、「第一志望ではないと正直に伝える」「待遇面への不満をほのめかす」が、印象を悪くする可能性のある保留理由として挙げられています(参考)。一方で、他社の選考結果を待ちたいという理由は、企業に受け入れられやすい理由の一つとされています。下の表の上2行はその記載に基づき、下2行は、体育会の学生が起こしやすい場面を想定して編集部が加えたものです。

避けたい言い方・行動 起こりやすい場面 代わりの伝え方
「第一志望ではありません」と明かす 理由を正直に話そうとして 他社の結果を踏まえて、納得して判断したい旨と、御社への関心を伝える
待遇への不満をほのめかす 他社の条件と比べて話してしまう 条件の話は保留の相談と分け、判断したい期日だけを伝える
理由を曖昧にしたまま延長を頼む 試合や練習で余裕がなく、準備不足で電話する 3つの確認(期限・結果日・理由)を紙に書いてから連絡する
約束の日まで連絡しない 試合や遠征が続いて後回しにする 期限の前に、状況だけでも一報を入れる

保留中の過ごし方:相談できる人を決めておく

保留が認められた期間は、決断の準備に使います。ツナカレメディアの取材では、次のような声がありました。

  • ある大学ラクロス部のOBは、就活の場面に限った話ではありませんが、現在の仕事でも1人で抱えずに早い段階で相談する習慣を大切にしていると話しています(取材記事)。
  • ある大学ラクロス部の主将は、就職活動を自己実現の一部と捉え、必要に応じて部活動を休むことも認めていると述べています(取材記事)。

いずれも1人の発言であり、すべての部に当てはまるものではありません。ただ、保留期間中に判断のために時間が必要になった場合は、監督や主将、同期などに就活の状況を共有しておくと、練習や試合との調整がしやすくなる場合があります。判断に迷うときは、OB・OGや大学のキャリアセンターなど、利害関係のない第三者にも相談できます。判断の軸を整理する方法は、就活の軸の決め方や、ツナカレメディアの企業選びの軸を解説が参考になります。

保留を断られた・期限が迫ってきたときの考え方

保留は企業にお願いするものであり、必ず応じてもらえるものではありません。断られた場合は、次の3つの選択肢を整理します。

  1. 提示された期限内に判断する: 他社の結果を待たずに、今ある情報で承諾か辞退かを決める
  2. 別の日付を提案する: 短い期間であれば検討してもらえる可能性があるかを、理由とあわせて相談する
  3. 一度立ち止まって第三者に相談する: 大学のキャリアセンターやOB・OGに状況を伝え、判断軸を確認する

なお、学生の職業選択の自由を侵害する「就活終われハラスメント(オワハラ)」について、厚生労働省は事業主に対して行わないよう呼びかけています(厚生労働省)。その場での返事を強く迫られるなど、対応に困ったときは、一人で判断せず、大学のキャリアセンターなどに相談してください。

保留したあとの返事も忘れずに

保留を認めてもらったあとは、約束した日までに返事を入れます(承諾でも辞退でも)。辞退する場合も、連絡を入れることが基本です。内定後の全体の流れは内定後にやることリスト、就活全体の時期感はツナカレメディアの体育会の学生に適切な就活の時期とは?もあわせて確認しておくと安心です。

まとめ:保留は「具体的な日付と、連絡がつく時間」で信頼を保つ

複数内定の保留は、相談の形で早めに伝え、期限を具体的に示すことが基本です。体育会の学生は、練習・試合・遠征で連絡がつきにくい時間を先に共有しておくと、行き違いを減らしやすくなります。電話で相談し、メールで内容を残す流れを覚えておき、返事の日までに連絡を入れましょう。

保留の言い方や、判断の軸の整理に迷う方は、ツナカレ就活の無料相談をご利用ください。競技のスケジュールを踏まえて、連絡の進め方を一緒に整理します。