説明会、オープン・カンパニー、早期選考、タイプ3。就活のスケジュールには似た言葉が多く、部活動の予定の合間に情報を追っていると、意味を取り違えてしまうと感じる場合もあるかもしれません。

結論から言うと、就活スケジュールの用語は、政府の要請や産学協議会の資料で意味が示されている語と、公的な定義がなく慣用で使われている語に分かれます。本記事は、編集部が公的資料で定義を確かめて区別を付けた用語集です。

この用語集の作り方と【公的】【慣用】の見方

編集部が公的資料で定義や扱いを確かめられた語は【公的】、確かめられなかった語は【慣用】と表示し、慣用語は「一般的には」の意味として紹介します。

  • 対象: 就活の日程・インターン・選考・内定に関わる語
  • 編集部が行っていないこと: 独自アンケート、特定企業の選考時期の紹介、今後の日程の予測
  • 対象外: 業界ごとの選考時期、外資系企業などの個別日程

定義は次の公的資料で、2026年10月3日時点に確認しました。

最初に確認したい「○年度卒」と「○年卒」の読み替え

政府資料の「2027年度卒業・修了予定者」は2028年3月に卒業する人を指し、就活サイトでいう「28卒」にあたります。次の表は、4年制の学部で留年や休学がない場合の対応です。

政府資料の表記 卒業する時期 就活サイトでの呼び方 2026年10月時点の学年(学部)
2026年度卒業・修了予定者 2027年3月 27卒 4年生
2027年度卒業・修了予定者 2028年3月 28卒 3年生
2028年度卒業・修了予定者 2029年3月 29卒 2年生

年度は4月始まりのため、「年度」の数字と卒業する年が1つずれます。なお、2028年度卒業・修了予定者向けの要請は、2026年10月3日時点の内閣官房のページには掲載されていません。

就活スケジュールの日程ルール用語(3・6・10)

「3・6・10」は、広報活動の開始を3月1日、採用選考活動の開始を6月1日、正式な内定日を10月1日以降とする、政府から経済団体などへの要請の呼び方で、法律の規定ではありません。内閣官房の学生向け資料にも載っている【公的】な語です。

用語 出どころ 意味
広報活動(開始) 【公的】 業界・企業・新卒求人情報などを学生に広く発信する活動。起点は、採用サイトや就職支援サイトで学生の登録受付を開始する時点
採用選考活動(開始) 【公的】 順位付けや選抜を行うもの、参加しないと次に進めないもので、時間と場所を特定して拘束する面接や試験など。開始は卒業・修了年度の6月1日以降
正式な内定日 【公的】 卒業・修了年度(学部4年生等)の10月1日以降。「卒業・修了前年度」は学部3年生等を指す
学校推薦 【公的】 大学側の申合せで、卒業・修了年度の6月1日以降。企業説明会への会場提供などの協力は、卒業・修了前年度の3月1日以降
専門活用型インターンシップ参加者の例外 【公的】 原則の例外。2週間以上の専門活用型インターンシップで高い専門的知識や能力を有すると判断された学生は、6月より前に採用選考へ移行できる

ES提出やWebテストは「採用選考活動」と区別されている

政府の要請では、日程や場所に学生の裁量が大きいES提出・Webテスト・テストセンター受検は「事前スクリーニング」【公的】として、採用選考活動と区別されています。6月より前にES締切やWebテストがあっても、要請上の「採用選考活動」とは別の扱いだと知っておくと、予定を読み違えにくくなる場合があります。

日程は毎年度の要請で決まり、見直しの議論もある

日程は毎年度の要請で示されるため、将来の日程が今と同じとは限りません。2017年度までは経団連が「採用選考に関する指針」を定め、2018年以降は政府が毎年度要請しています(内閣官房)。2027年度卒分は令和8年3月24日付です。

大学側の就職問題懇談会は、令和10年度以降の卒業・修了予定者の就職・採用活動について見直しの検討が重要としています。政府も要請文書で、開始日より前に実質的な採用選考活動が行われ早期化・長期化が進んでいると述べており、すべての企業が3・6・10どおりに動くとは限りません。自分の卒業年度の要請は、内閣官房のページで確認してください。

時期の考え方はツナカレメディアの解説も参考になります。

就活スケジュールに関わるインターンの用語(タイプ1〜4)

産学協議会の整理と2022年6月の三省合意の改正により、「インターンシップ」にあたるのはタイプ3・4とされ、企業がプログラムで得た学生情報を採用活動に使えるのもタイプ3・4に限られます。それも採用活動の開始以降です。

類型(産学協議会の4類型) 名称 参加期間の目安 就業体験 学生情報の採用活動への活用
タイプ1 オープン・カンパニー 超短期(単日) なし 不可
タイプ2 キャリア教育 (授業・プログラム) 任意 不可
タイプ3 汎用的能力・専門活用型インターンシップ 汎用的能力活用型は5日間以上、専門活用型は2週間以上 必須(参加期間の半分を超える日数を職場で) 採用活動開始以降に限り可
タイプ4(試行) 高度専門型インターンシップ ―(ジョブ型研究インターンシップ等) 必須 採用活動開始以降に限り可

大学側の申合せでは、この「採用活動開始以降」を、3月以降は広報活動、6月以降は採用選考活動と説明しています。タイプ1〜4はいずれもキャリア形成支援の取組みであって採用活動ではなく、学生は改めて採用選考のためのエントリーが必要とされています。種類ごとの特徴はツナカレメディアの解説でも確認できます。

  • 三省合意/産学協議会【公的】: 前者は文部科学省・厚生労働省・経済産業省による合意(2022年6月13日最終改正)、後者は経団連と国公私立大学の代表による協議の場です。
  • タイプ3の要件【公的】: 就業体験があること、職場の社員が指導し終了後にフィードバックすること、学部3・4年と修士1・2年の長期休暇(夏休み・冬休み・入試休み・春休み)に実施すること、募集要項などで情報を開示することです。要件を満たせば、募集要項に産学協議会基準準拠マークを記載できます。
  • ワンデーインターン【慣用】: 公的な整理ではタイプ3は5日間以上のため、1日のプログラムはタイプ3に当たりません。大学側の申合せも、企業説明会などを「ワンデーインターンシップ」と称さないよう留意するとしています。
  • サマーインターン・冬インターン【慣用】: 実施時期による呼び方で、公的な類型ではありません。中身は募集要項で確認します。

インターン参加は採用選考に必須ではないと明記されている

産学協議会の学生用リーフレット(2023年3月)は、インターンシップに参加した経験は採用選考に必須ではなく、経験がなくてもエントリーできると明記しています。

学習院大学キャリアセンターの担当次長は、3年生の4月に前半2年間を振り返らせ、「何もできていないという学生には、まだ間に合うと伝え、3年の夏の過ごし方が重要と伝えます」と話しています(2025年10月15日公開)。

タイプ3の実施時期の要件が長期休暇であることから、3年生の夏休みに部の合宿や大会がある場合は、早めに部の予定表と突き合わせておくと、参加できるプログラムを比べやすくなる場合があります。

就活スケジュールの選考・内定用語(早期選考・本選考・内々定)

「本選考」「早期選考」は公的な定義を持たない慣用語で、「内々定」「オワハラ」などは政府や大学の文書で扱いが示されている語です。

用語 出どころ 意味
本選考 【慣用】 一般的には、エントリーから内定までの通常の選考を指す。公的資料の用語は「採用選考活動」
早期選考 【慣用】 一般的には、インターン参加者などを対象に通常より早い時期に行われる選考を指す。就職問題懇談会は企業に、「早期選考」等と称して採用選考活動開始前に選考を行うことを厳に慎むよう求めている
内々定 【公的】 公的な定義はなく、正式な内定日より前に企業が示す採用の意思を指して使われる。大学側の申合せでは、9月30日以前の内々定は学生を拘束するものではない旨を周知する扱いが示されている
オワハラ 【公的】 内定や内々定と引き換えに他社への就職活動をやめるよう強要する行為など。政府は、職業選択の自由を侵害するおそれがある許されない行為としている。学生向け資料は、他社の就活ができないよう研修への参加を求める、内定承諾書等の早期提出を強要する、などを例に挙げている
オヤカク 【公的】 公的な定義はなく、内定辞退の防止を目的に保護者の同意を強要することは、オワハラに該当し得るという扱いが示されている
通年採用/既卒3年以内の新卒枠応募 【公的】 政府は、海外留学者や既卒者などに通年採用を含む機会を提供し、卒業・修了後3年以内の既卒者が新卒枠に応募できるよう要請

内々定の辞退と相談先

政府の学生向け資料は「内々定・内定の辞退は、就活生の正当な権利です」としつつ、不必要に複数の内々定を保持することは慎み、節度ある就職活動を行うよう呼びかけています。

大学側の申合せは、辞退する場合は連絡するなど誠意ある対応を指導するとしています。困ったときの相談先として、都道府県労働局、新卒応援ハローワーク、大学キャリアセンターが挙げられています。

部の予定と就活スケジュールの用語を1枚に並べる

自分の卒業年度に当てはめた1枚の表を作ると、部の予定との重なりを早く確認できます。 用語の意味を押さえたら、自分の卒業年度に当てはめて、部の幹部交代・合宿・大会の時期と同じ表に並べると、重なる時期を早めに確認しやすくなります。部によっては、就活の時期を見越して運営体制を組んでいる例もあります。次の2件は就活日程ではなく、部の運営体制への回答です。

  • 弘前大学ボウリング部の部長は「上級生の学業や就職活動との両立を考え、2年生から運営の中心を担う体制にしています」と話しています(2026年8月13日公開)。
  • 長崎大全学女子サッカー部の副主将は、例年は3年生が幹部を務めるが、今年は学業や進路の関係で3年生が参加できる日が限られるため、2年生が中心となって部を運営していると話しています(2025年12月15日公開)。

次は、4年制で3・6・10の原則どおりに進む場合の予定表テンプレートです。右端は自分で書き込みます。

時期(学年) 就活スケジュールの用語・節目 部の予定(自分で記入)
学部3年 夏休み タイプ3の実施時期要件にあたる長期休暇/サマーインターン(慣用) (合宿・大会・幹部交代などを記入)
学部3年 冬休み〜春休み タイプ3の実施時期要件にあたる長期休暇 (記入)
学部3年 3月1日〜 広報活動開始・企業説明会・エントリー受付 (記入)
学部4年 6月1日〜 採用選考活動開始・学校推薦 (記入)
学部4年 9月30日まで 大学側の申合せでは、この時期までの内々定は学生を拘束するものではないとされています (記入)
学部4年 10月1日〜 正式な内定日 (記入)

早期選考や独自日程の企業は表の時期より前に動く場合があるため、志望先の募集要項で確認してください。全体の流れは体育会の就活はいつから始める?をご覧ください。

この用語集で判断できないこと

個別の企業がいつ選考をするか、早期選考を行うかどうか、来年度以降の日程がどうなるかは、この用語集では判断できません。

志望先の日程は企業の募集要項・採用サイトや大学キャリアセンターで、日程ルールは内閣官房の要請ページで確認してください。早期化の推移は就活早期化のデータの読み方で確認できます。

まとめ

就活スケジュールの用語は、【公的】と【慣用】に分けて読むと整理しやすくなります。政府資料の「2027年度卒」は28卒にあたり、ES提出やWebテストは採用選考活動と区別されています。学生情報を採用活動に使えるのはタイプ3・4の採用活動開始以降で、大学側の申合せでは、9月30日以前の内々定は学生を拘束するものではないとされています。

就活の進め方に迷ったら

部活動の予定と就活の日程をどう組み合わせるか迷う場合は、ツナカレ就活への登録から無料で相談できます。