4年生の4月は、企業によってはES・Webテスト・面接が重なり始める一方で、部活も新年度に入り、新歓や新体制、春季リーグが動き出す月です。この時期は、新しい対策を増やすよりも、今どの企業がどの段階にあるかを見える化し、選考1回ごとに振り返って次に活かす月と考えると回しやすくなります。2月のチェックリストでは、3〜5月に就活へ使う枠を決めるところまでを整理しました。この記事は、その前提のうえで、選考期に入ってからの回し方を扱います。部活の忙しさ別の優先順位、選考段階を一覧にする「持ち駒表」、選考ごとの「振り返りメモ」を順に紹介します。
体育会の就活で、4月に何が変わるのか
4月は、採用選考活動の開始日として政府が示す6月1日まで約9週間となり、就活側の動きと部活側の新年度の行事が重なりやすい月です。就活側は企業ごとに段階がばらばらに進み、部活側は新歓や新体制が始まります。
6月1日まで約9週間
2027年度卒業・修了予定者(2028年3月卒業予定者)の日程として、政府は次の考え方を示しています。広報活動の開始は「卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降」、採用選考活動の開始は「卒業・修了年度の6月1日以降」、正式な内定日は「卒業・修了年度の10月1日以降」です。出典は内閣官房「2027年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請」です。
4月1日から5月31日までは61日で、週に直すと約9週間です。ただし、これは政府が示す日程の考え方であり、実際のスケジュールは企業によって異なります。企業によっては、4月の時点でES・Webテスト・面接を求める場合があります。志望する企業の採用ページで、日程を個別に確認してください。
企業ごとに選考の段階がばらばらに進む場合がある
一般的には、応募した企業が増えるほど、ES提出済み・Webテスト待ち・面接日が決まった・結果待ちといった状態が同時に並ぶ場合があります。頭の中だけで管理すると、次の日付や提出物を見落とす可能性があります。
部活は新年度に入り、新歓や新体制が動き出す
部によっては、4月の新歓に大きく時間を割く場合があります。取材記事から2つの例を紹介します。
京都大学ヨット部の取材記事(2025年11月7日公開、media.tunakare.jp)では、次のように紹介されています。
「4月は練習を一時休止し、全員で新入生勧誘に全力を注ぎます。」
九州大学男子ラクロス部の取材記事(2026年1月20日公開、media.tunakare.jp)では、次のように紹介されています。
「2025年度の新歓活動では『短期決戦』を掲げて取り組んだ結果、4月前半の段階で一気に40名近くの1年生が入部を決めてくれた」
同記事では、一次締め切りを設け、早期入部者にはクロス棒をプレゼントする仕組みも紹介されています。
どちらも1つの部の例であり、すべての部に当てはまるわけではありません。また、新歓についての紹介で、就活について語ったものではありません。
3月に進めた分は「整理」から始める
3月に応募した企業や受検したテストがある場合、4月の最初の作業は、それらを次章以降の持ち駒表に書き写すことです。3月の内容を見直すのではなく、現在地を一覧にするところから始めます。
【部活の状況別】4月にやることチェックリスト
4月の優先順位は、部活の忙しさの種類によって変わります。10月〜2月のチェックリストは引退状況別の整理を中心にしていましたが、4月は選考と部の行事が並行するため、ここでは「4月の部活の忙しさの種類」で3つのパターンに分けます。
| パターン |
4月の部活の状況 |
最優先3つ |
| A 引退済み・部の予定がほぼない |
まとまった時間が取れる |
持ち駒表を作る/振り返りメモを毎回書く/追加応募の判断日を決める |
| B 新歓・新体制の運営を担っている |
部によっては4月前半に行事が集中する |
新歓の担当日を就活カレンダーに入れる/選考連絡の確認時間を決める/持ち駒表を作る |
| C 春季リーグ・春の大会に出場する |
部によっては土日に試合が入る |
試合日と選考候補日の重なりを洗い出す/面接で部活の今を話す準備/振り返りメモを短く続ける |
Aの人は、時間を取りやすいぶん、応募を広げすぎて1社ごとの振り返りが追いつかなくなる場合があります。応募を増やす前に持ち駒表で現在地を確かめ、追加するかどうかは4月末の判断日にまとめて決める形にすると、選考1回ごとの準備と振り返りに時間を残しやすくなります。
Bの人は、新歓の日に選考の連絡を確認できない時間が出る場合があります。担当日を先に書き込み、確認時間を決めておくと、見落としを減らしやすくなります。なお、新歓で取り組んだ経験は、後でガクチカの材料になる場合があります。書き方は新歓担当のガクチカ例文で扱っています。
Cの人は、試合日が選考の候補日と重なる場合があります。重なりそうな週を早めに洗い出し、企業に日程の相談ができるかを確認しておくと、直前で慌てにくくなります。
選考期を回す、4月のチェックリスト7項目
4月は新しい対策を足すより、選考の「見える化」と「振り返り」と「連絡の見落とし防止」に絞った7項目で回します。目安の時間はあくまで例で、自分の状況に合わせて調整してください。
1. 応募中の企業を「持ち駒表」に一覧化する(目安: 40分)
3月に応募した分も含めて、応募中・受検済みの企業を1行ずつ書き出します。マイページやメールの受信履歴を見ながら書くと、抜けを減らしやすくなります。作り方は次の章で説明します。
2. 選考を受けた日のうちに「振り返りメモ」を3行書く(目安: 1回10分)
聞かれたこと・詰まったところ・次に直すことの3行です。書き方は後の章で説明します。
3. 選考連絡(メール・マイページ・電話)を確認する時間を1日2回決める(目安: 15分)
練習や試合の間は、連絡を確認できない時間が続く場合があります。練習前と練習後など、確認する時間を決めておくと、見落としを減らしやすくなります。電話に出られなかった場合に備え、留守番電話の確認も、その時間に含めておきます。
4. 新歓・新体制の行事のうち、自分が担当する日を就活カレンダーに書き込む(目安: 20分)
担当日を先に書き込んでおくと、選考の候補日を提示されたときに、重なるかどうかをすぐ判断できます。
5. 4年次の授業・ゼミ・実習の曜日と時間を、就活カレンダーに反映する(目安: 30分)
一般的には、4月は新年度の履修や時間割が決まる時期です。ゼミや必修の授業が入る曜日を先に押さえておくと、選考の候補日を選ぶときに迷いにくくなります。学外実習などがある人は、その期間も書き込みます。卒業要件の確認は、大学ごとに異なるため、大学の案内で行ってください。
6. 面接で「今の部活の状況」を聞かれたときの答えを1分で話せるようにする(目安: 30分)
春のシーズンの予定、自分の役割、就活の時間をどう確保しているかを、事実ベースでまとめます。話を大きく見せる必要はありません。
7. 追加で応募するかを判断する日を、4月末に1回だけ決めておく(目安: 10分)
持ち駒表を見て、結果待ちばかりで次の予定が空いている週が続くかで判断します。社数の目安は人によって異なるため、ここでは示しません。
6月1日に向けた「持ち駒表」のつくり方
持ち駒表は、企業名と「今の段階・次の日付・次にやること」を1行ずつ並べるだけで、どこが止まっていて何を準備すべきかが見えやすくなる表です。
| 企業 |
志望度 |
今の段階 |
次の日付 |
次にやること |
部活の予定との重なり |
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志望度の列は、「本命・比較・練習」など、自分なりの分類で書きます。この分け方は1月のチェックリストで紹介した考え方と同じです。
次の表は、2027年4月を想定した架空の記入例です。企業名は実在のものではなく、日付も説明のための例です。
| 企業 |
志望度 |
今の段階 |
次の日付 |
次にやること |
部活の予定との重なり |
| A社 |
本命 |
一次面接通過・結果連絡済み |
4/24 二次面接 |
振り返りメモの「詰まった質問」を練習 |
4/25 春季リーグ |
| B社 |
比較 |
ES提出済み・結果待ち |
未定 |
結果の連絡確認 |
なし |
| C社 |
練習 |
Webテストの案内あり |
4/20 受検期限 |
受検日を決める |
4/18〜19 新歓 |
更新するタイミングは、選考を受けた日と、結果の連絡が来た日の2回です。更新のたびに、次の日付が空欄の行が多くないか、結果待ちが続いていないかを見ます。採用選考活動の開始日として政府が示す6月1日を前に、本命に分類した企業の「次の日付」が見えているかを確かめる目安にもなります。B社のように次の日付が「未定」の行は、連絡を待つだけでなく、その間に進められる準備を「次にやること」に書いておくと、表が止まりにくくなります。
選考1回ごとの「振り返りメモ」3行
選考を受けた日のうちに「聞かれたこと・詰まったところ・次に直すこと」の3行を残すと、同じところで詰まり続けるのを防ぎやすくなります。長く書く必要はなく、1回10分程度を目安にします。
| 項目 |
書くこと |
| 聞かれたこと |
面接やテストで問われた内容 |
| 詰まったところ |
答えに迷った点、時間が足りなかった点 |
| 次に直すこと |
次回までに変える点を1つだけ |
次は、架空の記入例です。
- 聞かれたこと: 「部活で最も苦労したことと、周りをどう巻き込んだか」
- 詰まったところ: 巻き込んだ結果、何が変わったかを数字や事実で言えなかった
- 次に直すこと: 変化の前後を、事実を一つ添えて話せるように準備する
振り返りの姿勢を見ていると話す企業もあります。株式会社アカリクへの取材記事(2026年1月14日公開、media.tunakare.jp)では、質問「採用時、学生のどんなポイントを見ていますか?」に対し、次のように語られています。
「重視しているのは、“当事者意識を持って自ら行動できるか”という点です。」
「成果を出すために『もっと良いやり方はなかったか』と振り返れる向上心も大切にしています。」
これは1社の例であり、すべての企業が同じ基準とは限りません。また、採用時に見ている点についての発言であり、振り返りメモを勧めたものではありません。ただ、人によっては、部活の試合後の振り返りと同じ形で取り入れやすいかもしれません。
新歓・春季リーグと選考が重なる週の考え方
重なりは、持ち駒表の「部活の予定との重なり」列で早めに見つけ、日程の相談ができるかを企業に確認する方法があります。部内への共有には、2月版で紹介した方法が使えます。
企業への日程変更依頼の文例は、部活と就活の両立の記事で扱っています。部内に共有するための1枚表は、2月のチェックリストにまとめています。この記事では、文例を新たに載せません。
日程変更に応じてもらえるかどうかは、企業によって異なります。重なりが見つかった時点で早めに相談しておくと、候補日を選び直せる余地が残りやすい場合があります。
4月の時点で内定や内々定の連絡を受け、返事の期限に迷う場合は、複数内定の保留マナーを参考にしてください。年間の流れについては、ツナカレメディアの「体育会の就活時期」の解説も参考になります。
4月に無理してやらなくてよいこと3つ
4月は、やることを増やすより、手を広げすぎないことも大切です。
- 結果待ちの企業の合否を何度も確認すること: 確認する時間を1日2回と決めておけば十分です。それ以上の確認は、気持ちを消耗させる場合があります。
- 新歓・新体制の仕事をすべて引き受けること: 分担は、部の人と相談して決める性質のものです。就活の予定を共有したうえで、引き受ける範囲を話し合ってみてください。
- 不合格が出るたびに志望業界を変えること: まず振り返りメモで、詰まった点を確認してから判断します。原因が見えないまま変えると、同じところで詰まる場合があります。
4月につまずきやすい3つのポイント
4月は、結果待ちの不安と、新年度の行事による時間の読みにくさでつまずきやすい場合があります。
結果待ちが続いて落ち着かない
結果待ちが続くと、連絡を何度も確認したくなる場合があります。確認する時間を決めたうえで、待っている間は持ち駒表の「次にやること」を1つ進めてみてください。待つ時間を、次の準備に充てる形にしておく方法があります。
不合格が続き、何を直せばよいか分からない
不合格が続くと、全体を否定されたように感じる場合があります。その場合は、振り返りメモの「詰まったところ」を数回分並べ、同じ項目が繰り返されていないかを見てみてください。繰り返されている点があれば、そこが次に直す候補になります。
新歓や新体制の準備で、選考の準備時間が読めない
新歓や新体制の準備は、当日になって作業が増える場合があります。担当日の前後は、選考の準備を軽くするなど、あらかじめ余白を取っておく方法があります。担当日が決まった時点で就活カレンダーに入れておくと、重なりに気づきやすくなります。
まとめ:4月は「選考を見える化し、1回ごとに振り返る」月
4月は、企業ごとの選考と部活の新年度の行事が重なりやすい月です。優先順位は、部活の忙しさの種類で変わります。まずは持ち駒表で各社の段階と次の日付を見える化し、選考を受けた日のうちに振り返りメモを3行書いて、次に活かします。
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