3月は広報活動が始まり、説明会やエントリーの予定が動き出しやすい月です。一方で、大学によっては春季休業にあたり、部によっては春合宿や遠征、オープン戦が入る月でもあります。2月のチェックリストで決めた「週の就活枠」を、3月は「枠の中で何をやるか」で埋める月と考えると回しやすくなります。この記事では、春休みの部活の予定別の優先順位、日のタイプ別の配分表、説明会メモ5項目を順に紹介します。
体育会の就活で、3月に何が変わるのか
3月は、企業の採用サイトやナビサイトで登録の受付が始まり、説明会・エントリーの予定が短い期間に増えやすい月です。
3月1日以降、企業ごとに登録受付が始まる
2027年度卒業・修了予定者(2028年3月卒業予定者)の日程として、政府は次の考え方を示しています。広報活動の開始は「卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降」、採用選考活動の開始は「卒業・修了年度の6月1日以降」、正式な内定日は「卒業・修了年度の10月1日以降」です。出典は内閣官房「2027年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請」です。
同ページに掲載の要請では、広報活動の開始期日の起点を「自社の採用サイト、求人広告会社や就職支援サービス会社の運営するサイト等で、学生の登録受付を開始する時点」としています。つまり3月1日は、各社がサイトで登録の受付を始められる最初の日にあたり、実際にいつ受付を始めるかは企業によって異なります。2027年3月1日は月曜日なので、春休み中の部の予定とあわせて、その週の動き方を前もって見ておく方法があります。
6月1日より前にESやWebテストの案内が来る場合がある
同じ要請では、「エントリーシートの提出、ウェブテストやテストセンターの受検などによる事前スクリーニングは、日程・場所等に関して学生に大幅な裁量が与えられていることから、採用選考活動とは区別する。」とされています。そのため、企業によっては3月中にESの提出やWebテストの受検を求める場合があります。期限は企業ごとに異なります。
大学によっては春休み、部によっては春合宿や遠征が入る
大学によっては3月が春季休業にあたります(学事暦は大学ごとに異なります)。日中に動ける日が増える場合がある一方、部によっては春合宿・遠征・オープン戦などで、数日まとめて動けない期間が出る場合があります。自分の部の予定を基準に考えてください。
【部活の予定別】3月にやることチェックリスト
3月の優先順位は、春休みの部活の予定が「ほぼない」「合宿・遠征でまとまって抜ける」「平日練習と週末の試合が続く」のどれに近いかで変わります。10月〜2月のチェックリストは引退状況別の整理が中心でしたが、3月は「春休みの部活の予定の形」で分けます。
| パターン |
3月の部活の状況 |
最優先3つ |
| A 部の予定がほぼない(引退済み・オフ期間) |
日中に動ける日が多い |
オフ日に対面説明会を入れる/エントリー記録を毎日つける/説明会メモを当日中に書く |
| B 春合宿・遠征で数日まとめて抜ける |
不在期間の前後に就活が集中しやすい |
出発前に不在中の締切を確認する/録画の説明会は帰ってから見る分を選んでおく/帰着日の翌日に「戻りの1時間」を入れる |
| C 平日練習と週末の練習試合・オープン戦が続く |
まとまった時間を取りにくい |
練習日の短時間タスクを決める/オフ日にWebテストと対面説明会を寄せる/説明会の形式を志望度で選ぶ |
Aの人は、説明会を入れすぎてメモが追いつかなくなる場合があります。当日中にメモを書き切れるかを基準にしてみてください。
Bの人は、合宿や遠征の間に締切が来ても対応できない場合があります。出発前に不在中の締切を洗い出しておくと、前倒しするものと企業に相談するものを分けやすくなります。帰着日の翌日に、たまったメールやマイページの確認を片づける1時間を入れておく方法があります。これを本記事では「戻りの1時間」と呼びます。
Cの人は、記録の更新や締切の確認のように、15〜30分程度で区切れる短時間タスクを練習日に割り当てる形が考えられます。Webテストのように途中で止めにくい作業は、オフ日にまとめておくと、練習の前後に慌てて受ける形を避けやすくなります。
日のタイプ別に就活タスクを割り当てる「3月の配分表」
就活タスクを「短時間で済むもの」と「まとまった時間が要るもの」に分け、練習日・オフ日・合宿や遠征の日のどれに置くかを先に決めておくと、3月の予定を組みやすくなります。2月版は週の枠を決めましたが、3月版は枠の中身のタスクを日のタイプに割り当てます。
| 日のタイプ |
使える時間のイメージ |
向いているタスクの例 |
避けたいタスクの例 |
| 練習日(平日) |
練習前後や移動中の15〜30分程度 |
エントリー記録の更新/説明会メモの清書/締切の確認/録画説明会の一部視聴 |
Webテストの受検/ESの書き下ろし |
| オフ日 |
半日〜1日 |
対面説明会/Webテストの受検/ESの下書き/複数社の説明会メモの比較 |
予定を詰め込みすぎて休養がなくなること |
| 合宿・遠征・試合の日 |
ほぼ取れない場合がある |
締切の確認だけ(できる場合) |
新しい予約・提出 |
時間はあくまで例です。部の予定と体調に合わせて決めてください。
練習時間を選べる部もある
立教大学体育会ボート部の取材記事(2026年5月27日公開、media.tunakare.jp)では、次のように紹介されています。
「競技面では、午後の陸上トレーニングに時間選択制を導入しています。部員はメッセージアプリで希望時間を申告し、自身のコンディションや学業の予定に合わせて練習時間を調整しています。」
これは学業の予定に合わせる仕組みであり、就活のための制度として紹介されたものではありません。また、1つの部の例であり、すべての部に同じ仕組みがあるわけではありません。自分の部で練習時間の選び方に幅があるかを確認し、ある場合は、オフ日の作り方を相談する材料にできる場合があります。部内への共有は、2月のチェックリストの1枚表が使えます。
説明会期を回す、3月のチェックリスト7項目
3月は対策を増やすより、「記録する」「振り分ける」「不在に備える」ための7項目に絞って回します。目安の時間は例です。
1. エントリー(登録)したら、その日のうちに「エントリー記録」に1行書く(目安: 1社3分)
列は「企業名/登録日/マイページの場所(ブックマーク名など)/次の締切/志望度」で足ります。志望度は、1月に分けた3群をそのまま書きます。パスワードそのものは記録表に書かず、管理の方法は安全なものを自分で選んでください。
2. 説明会を「ライブ・録画・対面」の形式で分け、配分表の日のタイプに割り当てる(目安: 20分)
形式は企業によって異なり、録画には公開期間がある場合があるため、案内で確認します。就職問題懇談会の要請(令和8年3月24日)の用語解説には、「会社説明会などのように、学生が自主的に参加又は不参加を決定することができるイベントは、その後の選考活動に影響しない旨を明示するとともに、学期期間中の平日・日中の実施は控えるなど学生の学業等との両立に十分配慮すること。」とあります(前述の内閣官房のページに掲載された要請PDFに、参考資料として収録)。これは企業等への要請であり、すべての企業の運用を保証するものではありません。各社の案内を確認し、志望度と日のタイプで形式を選んでください。
3. 1週間に入れる説明会の上限を自分で決める(目安: 10分)
上限の数は人によって異なります。メモを当日中に書ける数を基準にする考え方があります。
4. 説明会に参加した日のうちに「説明会メモ」を5項目で書く(目安: 1社10分)
項目の中身は、後の章で説明します。
5. ESやWebテストの案内が来たら、提出・受検の期限をカレンダーに入れ、作業日をオフ日に置く(目安: 10分)
ESの提出やWebテストの受検は、前述の政府の要請上の定義では採用選考活動とは区別されていますが、提出や受検の期限は企業ごとに決まっています。案内が届いた日のうちにカレンダーへ入れておくと、見落としを減らしやすくなります。
6. 合宿・遠征の出発前日に、不在期間に来る締切を確認する(目安: 20分)
前倒しできるものは出発前に済ませ、難しいものは日程の相談ができるかを企業に確認する方法があります。文例は部活と就活の両立の記事にあります。
7. 3月末に、エントリー記録を見直す日を1日決めておく(目安: 10分)
4月は、選考の段階を一覧にする持ち駒表に移る流れです(4月のチェックリスト)。3月の記録があると、書き写しやすくなる場合があります。
後でESに使える「説明会メモ」5項目
説明会のメモは、聞いた内容を全部書くより、あとで志望動機や企業比較に使う5項目に絞ると、当日中に書き切りやすくなります。
| 項目 |
書くこと |
| 事業の一言 |
その会社が何で収益を得ているかを、自分の言葉で1文 |
| 大切にしている価値観 |
説明会で繰り返し出てきた言葉、理念やミッションの言い回し |
| 働き方の事実 |
配属・研修・勤務地など、説明会で示された事実(推測は書かない) |
| 自分の部活経験と重なる点 |
チームでの役割や練習の進め方と似ていると感じた点を1つ |
| 次に確かめたいこと |
OB・OG訪問や次の説明会で聞きたい質問を1つ |
次は、説明用の架空の記入例です。D社は実在の企業ではありません。
- 事業の一言: 法人向けの業務システムを開発し、利用料で収益を得ている
- 大切にしている価値観: 「顧客の現場に入って考える」という言葉が何度も出てきた
- 働き方の事実: 入社後に研修期間がある。配属先は説明会では示されなかった
- 自分の部活経験と重なる点: 練習メニューを現場の声で見直した経験と似ている
- 次に確かめたいこと: 配属がいつ決まるかを、OB・OG訪問で聞く
価値観の一致を重視すると話す企業もある
株式会社EXJOYへの取材記事(2026年3月5日公開、media.tunakare.jp)では、仲間を見る基準について次のように語られています。
「スキルや経験以上に、価値観が合うかどうかを何より大切にしています。」
同記事では、採用支援会社として採用広報について次のようにも語られています。
「価値観や雰囲気を正直に伝えることで、「自分には合わない」と感じる人が自然と離れていく。」
Singerly株式会社への取材記事(2025年11月21日公開、media.tunakare.jp)では、新卒採用で見る3つのポイントの1つとして「MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)との親和性があるか」が挙げられています。
いずれも1社の例で、すべての企業が同じ基準とは限りません。採用で重視する点についての発言であり、説明会メモを勧めたものではありません。ただ、説明会で語られた価値観をメモの2項目めに残しておくと、合うかどうかを自分で考える材料になる場合があります。説明会メモは、ガクチカテンプレートでのガクチカの整理と並べて使えます。
年間の流れについては、ツナカレメディアの「体育会の就活時期」の解説も参考にしてください。
3月に無理してやらなくてよいこと3つ
3月は、取り込みすぎないことも大切です。
- 全社の説明会にライブで参加すること: 形式は志望度と日のタイプで選べば十分です。
- 合宿・遠征中に就活の作業を持ち込むこと: 確認だけにとどめる方法があります。
- エントリー社数を周りと比べて増やすこと: 記録とメモが追いつく範囲で進めれば十分です。
3月につまずきやすい3つのポイント
マイページと締切が増えて、どこに何があるか分からなくなる
登録した日のうちにエントリー記録へ1行書いておくと、探す手間を減らしやすくなります。まとめて後で書こうとすると、どのサイトから登録したかを思い出せなくなる場合があります。1社3分を目安に、その日のうちに済ませてみてください。
合宿・遠征から戻ると、締切が迫っている
出発前日の確認と、帰着翌日の「戻りの1時間」を予定に入れておくと、慌てにくくなります。合宿や遠征の日程が決まった時点で、この2つを就活カレンダーに先に書き込んでおくと、入れ忘れを防ぎやすくなります。
説明会に出ても、内容を思い出せない
参加した日のうちに5項目のメモを書いておくと、後で比較しやすくなります。説明会が続いた週は、練習日の短時間タスクとして、メモの清書だけを先に進める形もあります。
まとめ:3月は「説明会とエントリーを、日のタイプで配分する」月
3月は、説明会とエントリーが増えやすい月です。優先順位は春休みの部活の予定の形で変わるため、まず表で最優先3つに絞ってください。そのうえで、就活タスクを日のタイプに割り当て、エントリー記録と説明会メモで状況を残していきます。企業ごとの日程や形式は異なるため、各社の案内を確認してください。
部活の経験をガクチカに落とし込む準備には、ガクチカテンプレートをダウンロードしてみてください。説明会やエントリーの予定と春の部活の予定を一緒に整理したい場合は、体育会・学生団体の学生に特化したツナカレ就活の無料相談から登録できます。