ESの入力画面に設問がいくつも並び、どれも部活の話で答えたくなってしまう。部活動や学生団体に打ち込んできた人ほど、題材が1つに集まりやすい場面です。

結論から言うと、ESの設問は大きく4グループに分けられ、グループごとに部活・学生団体の経験の使い方が変わります。先に全体の地図を持っておくと、1社分の設問セットの中で題材を配分しやすくなります。

この一覧の作り方と、扱っていないこと

この一覧は、検索上位の就活メディアの解説記事が共通して取り上げている設問を中心に、編集部が16設問・4グループに整理したものです。出題頻度の統計ではありません。

  • 対象: 2026年10月時点で検索上位の就活メディアが共通して扱っていた設問と、当サイトの例文記事で扱ってきた設問
  • 編集部が行っていないこと: 独自アンケート、出題率の推計、企業名を挙げた設問の紹介
  • 前提: 設問の言い回しは企業ごとに異なります
  • 出題の意図の扱い: 各設問の「出題の意図」は、公開されている就活情報や企業の発言をもとに編集部が整理したもので、企業によって異なります。

面接で聞かれる質問は対象外です。面接については体育会の面接質問や、ツナカレメディアの体育会系の面接質問の記事を参照してください。

ES頻出質問16設問の一覧表

16設問を4グループに分けると、どの設問がどの設問と重なりやすいかが見えやすくなります。

グループ 設問 部活・学生団体の経験の当て方 詳しい記事
A 自分について ① 自己PR 強みが表れた場面を根拠にする 自己PR例文
A 自分について ② 長所・短所 長所は行動、短所は改善の過程で示す 長所・短所例文
A 自分について ③ あなたを一言で表すと 一言の根拠として場面を1文添える 本記事で解説
A 自分について ④ 周囲からどんな人だと言われるか 仲間や指導者の言葉を引く 本記事で解説
B 経験について ⑤ 学生時代に力を入れたこと(ガクチカ) 取り組みの過程を主役にする ガクチカ例文
B 経験について ⑥ 挫折・失敗経験 うまくいかなかった局面と向き合い方 挫折経験例文
B 経験について ⑦ チームで成果を出した経験・チームでの役割 周囲との関わり方と役割分担 本記事で解説
B 経験について ⑧ 部活動・課外活動について(紹介型) 競技・規模・役割の説明が中心 ESの部活の書き方
B 経験について ⑨ 趣味・特技 競技を書くか別の題材にするか判断 趣味・特技の書き方
C 企業と将来について ⑩ 志望動機 「なぜその会社か」の理由の補強に回す 志望動機例文
C 企業と将来について ⑪ 入社後にやりたいこと 仕事の話を中心にする 本記事で解説
C 企業と将来について ⑫ 将来のキャリア像(5年後・10年後) 役割の変化を成長の説明に使う 本記事で解説
C 企業と将来について ⑬ 就活の軸・企業選びの基準 軸のきっかけとして短く触れる 就活の軸の決め方
D その他 ⑭ 学業・ゼミ・研究で取り組んだこと 部活以外の題材を主役にする 本記事で解説
D その他 ⑮ 最近関心を持ったニュース・出来事 業界との接点を1文添える 本記事で解説
D その他 ⑯ 自由記述・自分を表す写真や資料 写真から何が伝わるかを書く 本記事で解説

表の中には、言い回しが似ていて混同しやすい組み合わせがあります。

  • ⑤ガクチカと⑦チームでの経験: 主語が「自分」か、「チームの中の自分」か
  • ②長所と④周囲からの評価: 自分の言葉で語るか、他者の言葉で語るか
  • ⑩志望動機と⑬就活の軸: 「この会社」を選ぶ理由か、企業全般を選ぶ基準か

設問文に「チームで」「周囲から」「当社で」といった語があるかを見ると、聞き分けの手がかりになります。

「自分について」の設問4つ|強みの証拠に部活の場面を使う方法

このグループは自分の性質を言葉にする設問で、部活・学生団体の経験は、その性質が表れた場面として使う方法があります。

① 自己PR

一般的には、強みと、それを仕事でどう生かせるかを確認する設問とされます。主将なら、意見がぶつかったときに自分が取った行動を強みの根拠にする方法があります。自己PRは「強みが表れた場面」、ガクチカは「取り組みの過程」と重心を分けると、⑤と重なりにくくなります。

② 長所・短所

一般的には、自己理解の深さや、短所への向き合い方を見る設問とされます。マネージャーなら、長所は部員の動きを先読みした場面、短所は抱え込んだ経験と改善の工夫、のように組み立てる方法があります。

③ あなたを一言で表すと

一般的には、人柄を短い言葉で表せるかを見る設問とされます。比喩だけで終わらせず、直後に根拠の場面を1文添える方法があります。競技用語は伝わりにくい場合があるため、用語の言い換えも参考になります。

④ 周囲からどんな人だと言われるか

一般的には、他者からの見え方を確認する設問とされます。そのため、監督・同期・後輩・団体のメンバーから実際に言われた言葉を引用する形が書きやすくなる場合があります。学生団体の渉外担当なら、先方や運営メンバーの言葉でも構いません。②の長所と同じ言葉になりやすいので、先に②を決めてから選ぶ方法があります。

「経験について」の設問5つ|同じ部活でも場面を分ける

過去の経験から行動の特徴を見る設問群です。同じ部活や学生団体の経験を使う場合でも、設問ごとに場面を分ける方法があります。

⑤ 学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)

一般的には、取り組みの動機・工夫・結果を確認する設問とされます。主役は過程なので、競技や団体の説明は最小限にとどめる書き方が向いています。副主将なら、練習の課題に気づきどう働きかけたかを軸にする方法があります。学生団体なら学生団体のガクチカ例文も手がかりになります。

⑥ 挫折・失敗経験

一般的には、困難への向き合い方を確認する設問とされます。一例として、人材紹介の株式会社Hajimariの新卒採用責任者は、選考で「うまくいった経験だけでなく、うまくいかなかった経験も含めて、その人の判断や向き合い方を見ています」と話しています(ツナカレメディア「人事の声」2026年2月2日掲載)。挫折の大きさより、そのときどう判断し向き合ったかを書く方法があります。

⑦ チームで成果を出した経験・チームでの役割

一般的には、協働の仕方や役割の捉え方を見る設問とされ、周囲との関わり方や役割分担が中心になります。レギュラー外や役職なしの場合も、裏方として何を担ったかを軸に組み立てられます。詳しくは役職なしのガクチカを参照してください。

⑧ 部活動・課外活動について(紹介型)

一般的には、活動の概要と役割を知るための設問とされます。主役は競技・規模・役割といった活動の説明です。ガクチカ型との見極めはESの部活の書き方にまとめています。

⑨ 趣味・特技

一般的には、人柄や日頃の過ごし方をうかがう設問とされます。競技を特技欄に書くか、ガクチカと分けるかの判断は趣味・特技の書き方で確認できます。

「企業と将来について」の設問4つ|部活の話は理由の補強に回す考え方

主役は企業の話と自分の将来の話です。部活・学生団体の経験は、理由を支える補強として短く使う方法があります。

⑩ 志望動機

一般的には、企業への理解と関心の強さを確認する設問とされます。一例として、RSM清和監査法人のIPO支援部門の責任者は「スキルだけではなく、その方向性に共感できるかが重要です」と話しています(同 2026年3月3日掲載)。経営支援の株式会社カクシンの取締役も、重視しているのは「スキルや地頭よりも興味関心の強さです」と話しています(同 2026年5月11日掲載)。いずれも各社の考えです。部活の経験は1文の補強に回し、主役は企業を選ぶ理由にする方法があります。

⑪ 入社後にやりたいこと

一般的には、仕事の理解と、入社後のイメージの具体性を見る設問とされます。IT企業の株式会社SPIN TECHNOLOGYの人事責任者は、面接で「「人としてどう成長したいか」「どんな未来をつくりたいか」を深く聞くようにしています」と話しています(同 2026年1月27日掲載)。あくまで面接での発言ですが、参考になります。部活の話より仕事の話を中心にする方法があります。

⑫ 将来のキャリア像(5年後・10年後)

一般的には、長期的な視点と成長の方向性を確認する設問とされます。役職名より、どんな仕事ができる状態になっていたいかを書く方法があります。部活で後輩から上級生、指導する側へと役割が変わった経験を、成長のイメージの説明に使う例もあります。

⑬ 就活の軸・企業選びの基準

一般的には、企業選びの一貫性や価値観を見る設問とされます。軸が生まれたきっかけとして部活や団体の経験に短く触れる方法があります。決め方は就活の軸の決め方で詳しく扱っています。

「その他」の設問3つ|部活以外の題材を用意しておく

人物の幅を見る設問が中心です。部活以外の題材を1つずつ用意しておくと慌てにくくなります。

⑭ 学業・ゼミ・研究で取り組んだこと

一般的には、学びへの姿勢や、部活以外の人物の幅を見る設問とされます。授業・ゼミ・レポートで自分なりに工夫したことを1つ書く方法があります。両立の工夫を書く場合も、学業の中身を薄くしないようにします。

⑮ 最近関心を持ったニュース・出来事

一般的には、社会への関心や情報の受け取り方を見る設問とされます。競技やスポーツ界のニュースを選ぶこともできます。志望業界との接点を1文添えると、設問の意図に沿いやすくなります。

⑯ 自由記述・自分を表す写真や資料

一般的には、自分らしさを自由な形で伝えられるかを見る設問とされます。部活の集合写真や試合写真を使う場合は、写真の説明だけで終わらせず、「この写真から何が伝わるか」を書く方法があります。他の部員が写る写真は、事前に許可を取っておくと安心です。

1社のESで設問が重なったときの題材の配分

1社のESに複数の設問が並ぶ場合は、設問ごとに話を選ぶより、セット全体で題材と場面が重ならないよう先に配分を決めておくと、同じ話の繰り返しを避けやすくなります。

組み合わせの例を表にまとめます。

組み合わせ 部活・団体の話を置く設問 別の題材・別の場面を置く設問 配分のねらい
パターン1: 自己PR+ガクチカ+志望動機 ガクチカに部活の取り組み場面A 自己PRは部活の別場面B、または学業・アルバイト。志望動機は企業の理由が主役で、部活は補強1文 同じ場面の三重使用を避ける
パターン2: ガクチカ+挫折経験+入社後にやりたいこと ガクチカは成功に近い場面。挫折は同じ時期でも別の出来事 入社後は部活の話を置かない 過程と向き合い方を別の出来事で見せる
パターン3: 長所・短所+周囲からの評価+一言で 3問とも性質を問うため、根拠となる場面を設問ごとに変える 先に3つの言葉を決めておく 言葉と根拠場面の重複を避ける

配分を決める手順は、次の3ステップです。

  1. 設問を全部書き出し、A〜Dのグループに振る
  2. 部活・団体の話を主役にする設問を、1〜2問に決める
  3. 残りの設問に、別の場面か別の題材を割り当ててから書き始める

場面の洗い出し方そのものは、ガクチカの題材の棚卸しで扱っています。

次は説明のための架空の例で、サッカー部の副主将がパターン1のESを受けた場合の配分です。

  • ガクチカ: 練習メニューの見直しの場面(場面A)
  • 自己PR: 試合後のミーティングで意見をまとめた場面(場面B)
  • 志望動機: 事業への関心が主役で、部の経験は「関心のきっかけ」として1文だけ

書き上げた後の確認と相談先

書き終えたら、提出前に各設問の答えが問いに対応しているかを確認します。

提出前のチェックはES提出前の添削チェック、締切が迫っている場合はESの締切に間に合わないときを参照してください。

横浜国立大学ラグビー部の取材記事では、興味のある企業や同業種にOB・OGがいれば「OB訪問やESの添削などをお願いすることもある」と紹介されています(ツナカレメディア 2025年10月29日掲載)。部全体の慣行とは限りませんが、身近な先輩に添削を頼むのも一つの方法です。

ツナカレメディアの体育会向けES記事では、書き方の流れと自己PR例文を解説しています。

まとめ

ESの設問は4グループに整理でき、部活・学生団体の経験は「強みの証拠」「取り組みの過程」「理由の補強」と使い方が変わります。設問が重なるときは、部活の話を主役にする設問を1〜2問に絞ってから書き始める方法があります。

自分の部活・団体の経験をどの設問に当てるか迷ったら、ツナカレ就活の無料相談で一緒に整理できます。