不合格のメールが続くと、「自分の何がいけないのだろう」と考えてしまい、練習中もそのことが頭から離れない。そんな状態で、この記事にたどり着いた方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、不合格が続いたときは、全部を直そうとせず、「どの選考段階で落ちているか」を記録して切り分け、直す点を1つに絞る方法があります。 原因は企業から開示されない場合が多いため、確定はできません。それでも、落ちた段階の傾向を見れば、見直す順番は決めやすくなります。
この記事は、不合格の落ち込みを消すための記事ではありません。結果が出たあとに、次の選考のために何を直すかに絞っています。結果が出るまでの待ち時間の過ごし方は就活の結果待ちで落ち着かない体育会学生へで整理しているため、この記事では扱いません。
不合格が続くときは、まず「どの段階で落ちたか」を記録する
最初にやることは、原因を考えることではなく、落ちた段階を並べて記録することです。 感覚で「ずっと落ちている」と考えるより、記録に残したほうが傾向を見つけやすくなります。
次の表を、メモアプリや紙に作ってください。
| 企業 |
段階 |
結果 |
聞かれて詰まった質問 |
日付 |
| A社 |
ES |
不合格 |
(ESなので空欄) |
〇月〇日 |
| B社 |
一次面接 |
不合格 |
志望動機の深掘り |
〇月〇日 |
| C社 |
Webテスト |
不合格 |
(空欄) |
〇月〇日 |
| D社 |
二次面接 |
不合格 |
他社の選考状況 |
〇月〇日 |
「聞かれて詰まった質問」の列は、面接の直後に思い出せる範囲で書きます。時間がたつと記憶が薄くなる場合があるため、面接が終わった日のうちに、3行程度で十分です。
数が少ないうちは、傾向は見えにくいものです。目安として3〜5社分の記録がたまった時点で、段階ごとに落ちた数を数えてみてください。同じ段階での不合格が続いていれば、そこが見直しの候補になります。
段階別に、見直し候補として考えられること
落ちる原因は企業から開示されない場合が多く、以下は「考えられる見直し候補」であって、原因の断定ではありません。 段階ごとに、確認しやすい点を整理しました。
| 段階 |
考えられる見直し候補 |
確認の方法 |
| ES |
設問に答えているか、結論が冒頭にあるか、具体的な数字や事実があるか |
第三者に読んでもらう |
| Webテスト |
対策に使った時間、形式への慣れ |
同じ形式の問題を時間を測って解く |
| グループディスカッション |
役割の取り方、発言の量と質 |
模擬の場で録音・録画して見る |
| 一次面接 |
質問に端的に答えているか、基本的な受け答え |
模擬面接で録音して聞く |
| 二次面接 |
志望理由の具体性、深掘りへの答え |
志望理由を「なぜ」で3回掘る |
| 最終面接 |
企業の価値観や方向性との相性、入社意思の伝え方 |
企業の採用情報とOB・OG訪問で確認する |
キャリタス就活の記事では、面接に落ちる理由として、一次面接では基本的なマナーの不足、二次〜三次面接ではスキルや志望度の不足、最終面接では価値観やビジョンが企業と合わないことが挙げられています(出典: キャリタス就活編集部「面接に落ちた」と確信したサイン、落ちる理由、メンタル回復法)。段階によって見られる点が異なる、という整理は、見直しの順番を決める参考になります。ただし、これも一般的な整理であり、企業ごとの選考基準は異なります。
ESや面接の内容そのものは、ES提出前のセルフ添削チェックリストや体育会学生が面接でよく聞かれる質問15選で確認できます。この記事では、どこを直すかの切り分けを先に行います。
段階の記録から、直す点を1つに絞る
直す点は、1度に1つに絞ります。 複数を同時に変えると、どれが効いたのか、あるいは効かなかったのかが分からなくなるためです。次の表で優先順位を決めてください。以下は編集部の整理です。
| 状況の例 |
優先して見直す点 |
理由 |
| ESで落ちる割合が高い |
設問への答え方と結論の位置 |
面接に進む前の段階であり、直した結果が早く見えやすい |
| 一次面接で続けて落ちる |
質問への端的な答え方 |
基本的な受け答えは、模擬面接で比較的確認しやすい |
| 二次面接で落ちる |
志望理由の具体性 |
深掘りに答えられるかが問われやすい段階 |
| 最終面接で続く |
企業との相性の確認 |
相性は、応募する企業の選び方にも関わる |
| 段階がばらばらで傾向が見えない |
記録の数を増やし、相談する |
傾向が見えない時点で原因を決めない |
「段階がばらばらで傾向が見えない」場合は、まだ見直す点を決めなくてよいケースもあります。この場合は、記録を続けながら、模擬面接やESの添削など、第三者の目を入れる方法があります。添削の頼み方はガクチカの添削は誰に頼む?で整理しています。
数字の見方: 内々定の数は、不合格の数とは別の指標
就活の数字を見るときは、何の数字なのかを確認します。 次の数字は、不合格の数ではなく、内々定を持っている数の調査です。
マイナビの「2027年卒 内定者意識調査」(調査時期: 2026年6月15日〜7月5日、有効回答1,629名)では、平均内々定保有社数は1.7社でした。また、就職活動を終了している学生の約6割は、回答時点で保有している内々定が1社だったと報告されています(出典: マイナビ 2027年卒 内定者意識調査(PR TIMES))。
この数字から言えるのは、就職活動を終了した回答者の約6割が、回答時点で内々定1社でしたという点までです。次の点には注意してください。
- 調査の対象は体育会の学生に限りません
- この数字は内々定の保有数であり、不合格になった数や、受けた企業の数ではありません
- 平均が1.7社だからといって、不合格の数が少ないとは言えません
- この数字だけで、自分の就活の進み具合を判断することはできません
数字は、落ち着くための材料になる場合もありますが、自分が直すべき点を示すものではありません。見直しの出発点は、あくまで自分の記録です。
取材で聞いた、就活への向き合い方の声
就活の進め方は人によって異なります。以下は個別の声であり、「不合格の原因はこれだ」と示すものではありません。 就活の準備や情報収集の仕方について話した取材を3つ紹介します。
ツナカレメディアのOBOGインタビュー(2026年4月22日掲載)で、ある私立大学のラグビー部のOBは、ラグビーの推薦を受けていたこともあり就活に深く向き合わず、知名度だけで大手の飲料メーカーに入社したことを後悔している、と話しています(出典: ツナカレメディア OBOGインタビュー)。
別の記事(2026年5月18日掲載)では、ある大学のアメリカンフットボール部のOBが、競技中心で情報収集が不足したまま1社目を決めた反省から、転職の際にはエージェントに積極的に相談した、と話しています(出典: ツナカレメディア OBOGインタビュー)。
もう1つ、別の記事(2026年8月28日掲載)では、ある国立大学のアメリカンフットボール部のOBが、就活に十分向き合えず地元企業中心に受けていたが、部の先輩の紹介でインフラ企業に入社した、と話しています(出典: ツナカレメディア OBOGインタビュー)。
3つとも、不合格が続いた場合の話ではありません。ここから言えるのは、情報収集や就活への向き合い方を振り返っている人がいることと、部の先輩のつながりが選択肢になった例があることまでです。こうした振り返りから、自分の準備が足りているかどうかを確認する視点を得ることはできますが、自分の状況に当てはまるとは限りません。
部活の「改善の型」を就活に置き換える
練習の改善に使ってきた型は、就活の見直しにも置き換えられる場合があります。 取材では、部活で改善を重ねた経験が、その後の仕事に生きたという話もあります。
ツナカレメディアのOBOGインタビュー(2026年3月18日掲載)では、ある大学の卓球部のOBが、入部当初は部内最下位だったが、強い選手を分析して自分の弱点を埋め、4年でレギュラーをつかんだ、と話しています(出典: ツナカレメディア OBOGインタビュー)。別の記事(2026年4月17日掲載)では、ある大学の硬式野球部のOBが、野球で培ったPDCAを営業に転用し、結果が出ないなかで改善を繰り返して成果につなげた、と話しています(出典: ツナカレメディア OBOGインタビュー)。
この2つは、就活の話ではありません。ただ、「状況を分析して、直す点を絞り、次で試す」という改善の型は、就活の見直しにも使える場合があります。
| 練習での型 |
就活での置き換え |
| 試合を振り返る |
面接のあと、詰まった質問を3行で書く |
| 弱点を1つに絞る |
直す点を1つだけ決める |
| 次の練習で試す |
次の面接・ESで、直した点を試す |
| 結果を見て判断する |
同じ段階での結果を数社分見てから判断する |
「1回の結果で判断しない」のがポイントです。1社の結果は、直した点の効果というより、その企業との相性による場合もあります。同じ段階の結果を数社分並べて、傾向を見るほうが、判断しやすくなります。
一人で抱えず、第三者の目を入れる
不合格が続いたときは、自分の目だけで見直さず、第三者の目を入れる方法があります。 自分では気づきにくい点が、他の人には見える場合があるためです。
| 相談先 |
頼めること |
| 大学のキャリアセンター |
ESの添削、模擬面接 |
| 部の先輩・OB・OG |
面接の様子や選考の流れの共有 |
| 同期・友人 |
ESの読み合い、模擬面接の相手 |
| 就活エージェント |
選考のフィードバックの確認(サービスによって異なる) |
相談先ごとの使い分けは体育会の就活は誰に相談する?で整理しています。ESや面接の準備全般は、ツナカレメディアの体育会の面接対策の解説や、自己分析の方法の解説にもまとまっています。
1週間の見直しシート(テンプレ)
見直しは、1週間に1つだけ決めて、15〜30分で終わる範囲にとどめます。 次の表を、自分用にコピーして使ってください。記入例は編集部が作成した架空の例です。
| 曜日 |
練習・授業の予定(記入例) |
就活でやること(15〜30分) |
| 月 |
授業・夕方練習 |
今週の選考の段階を記録表に入れる |
| 火 |
オフ |
直す点を1つ決める(記入例: ES冒頭の結論) |
| 水 |
夕方練習 |
(休む) |
| 木 |
授業・夜練習 |
直した文を第三者に読んでもらう |
| 金 |
夕方練習 |
(休む) |
| 土 |
練習試合 |
(休む) |
| 日 |
オフ |
1週間の見直し(10分)。直した点と結果をメモする |
空欄や「休む」があっても構いません。休む日を予定に入れておくことも、続けるための工夫です。
落ち込みが続くときの相談先
気持ちの落ち込みが続く、眠れない日が続くなど、日常の動きに影響が出ている場合は、一人で抱えずに、学内や公的な窓口に相談してください。 この記事は、医療的な判断や助言を行うものではありません。
- 大学のキャリアセンター: 選考の進め方や、次の一手の相談ができます。
- 大学の学生相談室・保健管理センターなど: 気持ちのつらさに関する相談を受け付けている場合があります。窓口の名称や利用方法は大学によって異なります。
- 新卒応援ハローワーク: 学生や卒業後おおむね3年以内の方の就職活動を支援する専門のハローワークで、東京ハローワークのページには、就職活動・仕事探しに関する相談を随時受け付けていること、これらのサービスはすべて無料であることが記載されています(出典: 東京ハローワーク「新卒者・既卒者の皆さまへ」)。
まとめ: 落ちた段階を記録して、直す点を1つに絞る
不合格が続くと、全部が悪いように感じる場合があります。ただ、見直しの出発点は、感覚ではなく記録です。
- 企業・段階・結果・詰まった質問を記録する
- 3〜5社分たまった時点で、段階ごとに落ちた数を数える
- 直す点は1度に1つに絞る
- 1社の結果で判断せず、同じ段階を数社分並べて見る
- 第三者の目を入れる。つらさが続くときは窓口に相談する
部活と就活の時間配分に悩む場合は、部活と就活の両立も参考にしてください。部活動の時期ごとの動き方は、ツナカレメディアの体育会の就活時期の解説にまとまっています。
ガクチカの材料を整理したい方は、体育会・学生団体のガクチカ 書き方テンプレ&例文集を無料で配布しています。状況を整理したうえで相談してみたい場合は、ツナカレ就活への登録から申し込めます。ご相談にはメールで回答します。