学園祭・文化祭の実行委員は、大学によっては数百人規模の組織で、多くの来場者を迎えるイベントをつくる経験です。
にもかかわらず、「みんなで協力して成功させました」というもったいない書き方にとどまりがちです。この記事では、役割別の例文6選と、定番題材で差をつける書き方を解説します。
実行委員長のような役職の有無にかかわらず、担当した仕事の中でどんな課題を見つけてどう動いたかで評価は決まります。むしろ役職なしの現場担当こそ、行動の解像度次第で強い差がつきます。
実行委員のガクチカが評価される理由
- 規模:大きな組織運営や、大きな来場者数を相手にする運営は、学生のうちでは得がたい経験
- 多様な関係者との調整:大学・出店団体・協賛企業・地域・業者など、利害の異なる相手との折衝が発生する
- 仕事の分業構造:企画・渉外・広報・会計・警備など、企業の部署に近い役割分担を経験できる
つまり実行委員の経験は、組織で働くことの縮図です。だからこそ、自分がその組織のどこで何をしたかを具体的に語ることが評価の前提になります。
取材で見えた実行委員会の実例
ツナカレメディアの部活動・学生団体の取材記事には、実行委員会の体制を語った例があります(団体名・大学名は伏せ、種別と役割のみ記載)。
- 地域イベントの実行委員会(2025年10月取材):4つの局に分かれて活動し、来場者約600名規模のイベントを行政や地域団体と連携して運営、協賛企業への営業も担当していた(取材記事)
- 体育会の部(2026年3月取材):全員が役職を持つ体制で、広報・大会申請・渉外のほか文化祭の運営も分担していた(取材記事)
- ビジネスコンテストの運営実行委員会(2026年1月取材):渉外・広報・運営統括・開発の4局体制で、局長は選挙で選ばれ、渉外局が企業へ提案して開催資金を確保していた(取材記事)
いずれも「全体の成功」ではなく、局や担当ごとに役割が分かれています。だからこそ、自分の担当でしたことを語ることが大切です。
実行委員のガクチカ例文6選(役割別)
例文1:役職なし・現場担当
私が打ち込んだのは、学園祭実行委員会での会場運営です。役職はありませんでしたが、担当していた模擬店エリアで毎年、通路の混雑と行列の交錯によるトラブルが起きていることが気になっていました。私は当日の混雑の様子をスマホで記録し、混雑が発生する時間帯と場所を整理して、行列の並び方向を変えるレイアウト案を委員会に提案しました。先輩からは「例年通りでいい」という声もありましたが、過去のヒヤリハットの記録を集めて必要性を説明し、採用してもらいました。当日は行列同士の交錯がなくなり、担当エリアのトラブル件数は大幅に減りました。役職がなくても、課題を見つけて動けば組織は変えられるという確信を得た経験です。
ポイント:「役職なし×自発的な改善提案」は、主体性の証明としてむしろ役職持ちより強く刺さることがあります。役職なしでの書き方をさらに詳しく知りたい方は役職なしでも部活のガクチカは書けるも参考にしてください。
例文2:渉外・協賛担当
私が力を入れたのは、文化祭実行委員会での協賛獲得です。物価上昇で運営費が不足し、例年通りの企業リストへの依頼だけでは目標額に届かない状況でした。私は協賛のお願いを「寄付のお願い」から「企業のメリット提案」に変えることにし、来場者層のデータやSNSでの露出実績をまとめた提案資料を作成しました。さらに、学生向けの商品・サービスを持つ地元企業に絞ってアプローチ先を30社リストアップし、1社ずつ訪問と電話でご案内しました。その結果、新規5社を含む協賛をいただき、目標額を達成できました。相手のメリットから逆算して提案するこの経験は、営業の仕事で活かせると考えています。
ポイント:協賛・渉外の経験は法人営業の疑似体験として非常に強い題材です。同系統の書き方はビジネスコンテストのガクチカ例文の運営例文も参考になります。
例文3:企画・運営担当
私が学生時代に打ち込んだのは、学園祭実行委員会での企画運営です。私はステージ企画の担当として、例年課題だった「昼過ぎの来場者の中だるみ」の解消に取り組みました。過去2年のタイムテーブルと来場データを見ると、午後の企画が学内サークルの発表に偏り、一般来場者が楽しめる内容が少ないことがわかりました。そこで、地域の子ども向け参加型企画を新設することを提案し、近隣の団体への出演交渉や安全面の調整を自ら担当しました。当日は午後の時間帯にも家族連れの来場が続き、担当エリアの滞在者数は体感で例年を大きく上回りました。この経験から、データから課題の構造を見つけ、関係者を巻き込んで新しい企画を形にする力が身につきました。
ポイント:「データで課題を見つける→提案→関係者との調整」の流れを、担当領域の中で一つ選んで具体的に書くと、企画職や運営職との相性を示しやすくなります。
例文4:局長・委員長(局間の調整)
私が力を入れたのは、学園祭実行委員会で局長として局間の連携を整えたことです。各局の進捗が見えず、準備の後半で「他局の作業待ち」が発生していることが課題でした。私はまず各局長に聞き取りを行い、遅れの原因が情報共有の場がないことにあると考えました。そこで週1回、30分の局長会議を設け、各局の進捗と他局への依頼事項を共通の表に書き出す運用を提案しました。当初は「会議が増える」と難色を示す局長もいたため、議題を依頼事項に絞り、時間を30分で区切ることで合意を得ました。その結果、準備後半の「待ち」は減り、当日の進行もスムーズになりました。立場の違う人の意見を聞きながら、仕組みで解決する力が身につきました。
ポイント:役職が上がるほど「何を決めたか」が問われます。調整の相手・反対意見・どう合意したかまで書くと、面接の深掘りにも答えやすくなります。
例文5:広報・SNS担当
私が取り組んだのは、学園祭実行委員会の広報担当としてのSNS運用の改善です。公式アカウントの投稿が告知中心で、閲覧数が伸びにくいことが課題でした。過去の投稿の閲覧数を一覧にして比べたところ、企画の裏側や準備風景を載せた投稿の方が反応が多く、また投稿する時間帯によっても差があることがわかりました。そこで、準備風景の投稿を週に数回に増やし、反応が多かった夕方の時間帯に投稿を揃えました。結果、投稿あたりの平均閲覧数が改善前の約1.5倍になりました(実際の数字に置き換えてください)。数字で振り返りながら改善を重ねる姿勢は、マーケティングの仕事に活かせると考えています。
ポイント:広報は「何を発信したか」より「何を見て、何を変え、数字がどう動いたか」が評価されます。数字は自分のデータに置き換えてください。
例文6:会計・出店団体管理
私が担当したのは、学園祭実行委員会の会計と出店団体の書類管理です。出店団体の書類提出が毎年締切を過ぎ、保健所への届出や予算の確定が遅れることが課題でした。原因を探るため複数の団体に聞くと、締切を忘れていたり、書き方がわからなかったりする場合が多いとわかりました。そこで、記入例付きの書類テンプレートを作り、締切の1週間前と前日に連絡するリマインドを自分の担当として行いました。その結果、締切後に提出された団体の数は前年より減り、予算の確定も予定通り進みました。相手がつまずく理由を聞いて仕組みを整える経験は、事務や管理の仕事で役立つと考えています。
ポイント:会計・管理系は地味に見えがちですが、「ミスを防ぐ仕組みを作った」話は責任感と改善力の証明になります。詳しくは会計担当のガクチカ例文や広報担当のガクチカ例文も参考にしてください。
例文1の200字版
文字数が限られるESでは、例文1を次のように短くできます。
学園祭実行委員会で模擬店エリアを担当し、通路の混雑と行列の交錯が課題だと考えました。混雑の時間帯と場所をスマホで記録して整理し、行列の向きを変えるレイアウトを提案。過去のヒヤリハットの記録を示して先輩を説得し、採用されました。当日は行列の交錯がなくなり、担当エリアのトラブルが減りました。
文字数別の書き分けはガクチカの文字数別例文で解説しています。